顆粒膜細胞について② (排卵レースと顆粒膜細胞)

顆粒膜細胞について② (排卵レースと顆粒膜細胞)

顆粒膜細胞とは何なのか、その理解のためには、
卵巣の中で起きている毎月おこなわれている
排卵レースの理解が大切だと思います。

FSH (卵胞刺激ホルモン)によって、100個ほどの原始卵胞が目覚め、
排卵レースのエントリーに向けて準備を開始します。
これはマラソンレースに例えるとわかりやすいと思います。

生理開始直後から、このレースにエントリーした卵胞は、
一斉にスタートしますが、マラソン同様しばらくすると、先頭集団が形成されます。
先頭集団からドロップアウトした卵胞は自然消滅していきます。

先頭集団の卵胞は日増しにその大きさが増し、
同時に卵胞の中に顆粒膜細胞が、日をおうごとに急激に増加していきます。

そしてこの顆粒膜細胞から放出されるホルモンが、
女性ホルモンの1つエストロゲンなわけです。

顆粒膜細胞は、卵子を守るお供のような細胞であると同時に、
エストロゲンいう女性の美の源ホルモンを分泌する細胞なのです。

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著者
こまえクリニック院長
こまえクリニック院長放生 勲(ほうじょう いさお)

弘前大学医学部を1987年に卒業後、都内で内科研修を経てドイツ・フライブルク大学病院に留学し、帰国後は東京大学大学院で医学博士号を取得。2004年に「こまえクリニック」を開院し、不妊治療と相談を専門とする「不妊ルーム」を運営。自身も4年間の不妊治療経験を持ち、ストレスケアを重視した診療を行っている。『令和版 ポジティブ妊娠レッスン』(主婦と生活社)をはじめ、不妊治療に関する著書も多数出版している。

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