二人目不妊の女性で、とても象徴的なケースを経験しました。
最初の子どもはタイミング法を試みても妊娠に至らず、
人工授精5回目で妊娠、出産。
そして二人目がほしくなった彼女は、同じ大学病院に行き、
「最初の子どもが人工授精で生まれたので、
今回の治療は最初から人工授精で」と言われました。
そこで人工授精を7回試みましたが、
今度は妊娠することができませんでした。
そこで、彼女は初めて体外受精を受けましたのですが、
やはり妊娠には至りませんでした。
そして私のところに相談にみえたのです。
ではカウンセリングのその日、
彼女になにが起こったのでしょうか?
私は彼女の基礎体温表を見ました。
表を見ると高温期が続いていました。
「あなた妊娠していると思いますよ」と言い、
尿検査をしてみると、やはり彼女は妊娠反応陽性だったのです。
驚かれるかもしれませんが、私のもとを訪ねて来た日に
妊娠していたというケースが最近増えてきました。
彼女たちの中のひとりから、「先生のところに電話で予約を入れ、
カウンセリングを受けられると思っただけで、すごく安心しました」
というメールをいただいたことがありました。
おそらくは、それまでの不妊治療を離れ、
ステップダウンできるかもしれないという思いが、
彼女たちの精神状態にポジティブに作用したのだと思います。
不妊治療をやめたら妊娠したというケースは本当にたくさんあります。