卵巣セラピー(7)DHEAサプリメントは医師の指導のもとで

卵巣セラピー(7)DHEAサプリメントは医師の指導のもとで

FSHの値が高い、AMH(抗ミュラー管ホルモン)の値が低い場合、

「卵巣年齢が高いです。体外受精を急ぎましょう」などと、

医師に言われた方も多いとおもいます。

 

こうした女性でも、DHEAサプリメントの服用により、

妊娠に至るケースが、「不妊ルーム」ではしばしばあります。

DHEAには、卵子の若返り、卵巣回復作用があるからでしょう。

 

しかし、DHEAサプリにも問題がないわけではありません。

DHEAサプリメントは、以前はインターネットなどで入手することができました。

その後、薬事法が改正されて、個人では入手できなくなりました。

 

個人で入手できた当時、「不妊ルーム」に相談に来られる方には、

自己判断でDHEAを服用している女性も多く見かけました。

そして、そうした女性のDHEA血中濃度を測定してみると、

多くの場合、DHEA濃度が高くなりすぎているのです。

これでは反対に、妊娠を阻害してしまいます。

 

DHEAサプリメントを服用してもらうと、

多くのケースで、血中のDHEA濃度は上昇してきます。

しかし、DHEAサプリメントに対する感受性は個人差が激しく、

血中濃度のコントロールがとてもむずかしいのです。

ですから、こまめな血中濃度測定がとても大切なのです。

「不妊ルーム」では、1日1錠服用されている方から、

1日おきの方、そして、1週間に1錠の人もいます。

 

さらに、注意しておかなければならないことは、

DHEAは、女性ホルモンの原料であると同時に、

男性ホルモン(テストステロン)の原料でもあるのです。

したがって、DHEAサプリメントを摂取しすぎることは、

男性ホルモンの上昇をもたらす可能性があります。

サプリメントであっても、医師の指導が必要なのです。

著者
こまえクリニック院長
こまえクリニック院長放生 勲(ほうじょう いさお)