卵巣セラピー(3)「卵巣と卵子」は「水槽と金魚」の関係

卵巣セラピー(3)「卵巣と卵子」は「水槽と金魚」の関係

「不妊ルーム」では、”卵巣セラピー”をおこなってから、

妊娠される方が増えています。

 

卵巣セラピーとは、簡単に言えば、

血液の中の微量物質、すなわち、甲状腺ホルモン、亜鉛、銅、

ビタミンDなどを微調整して、卵巣の中の卵子を快適な状態ににする治療です。

 

卵巣セラピーを、金魚と水槽に例えると、わかりやすく説明できます。

水槽の中にたくさんの金魚が泳いでいる状態をイメージしてください。

金魚が元気に泳ぐためには、その水槽のコンディショニングが大切なはずです。

水槽の温度管理や、酸素濃度などが適切でなければ、

金魚は元気がなくなってしまうでしょう。

これと同じようなことが女性の体にもいえるのです。

 

自然な妊娠を望むにせよ、体外受精を受けるにせよ、

もっとも大切なことは、よい卵子が卵巣の中で育つことです。

 

私は「不妊ルーム」で妊娠された方、

そして紹介先の医療機関で妊娠された方は、

必ずカルテを振り返ってみることにしています。

 

そうすると「不妊ルーム」で妊娠された方は、

卵巣セラピーを行い、亜鉛、銅などの微量元素、甲状腺ホルモン、

ビタミンDなどの数値が良い周期でのタイミングで、

妊娠に至っているケースが多いのです。

 

また紹介先の体外受精で妊娠されたは、卵巣セラピーを当院で併用し、

数値が良い周期に採卵した卵を移植して、妊娠していることが多いのです。

 

このようなことから、卵巣という水槽のコンディションを良くすることによって、

金魚、すなわち卵子が快適な状態に置かれることで、

妊娠につながると、私は考えています。

 

特に妊活女性の高齢化を考えた場合、

体外受精を視野に入れている方も多いですし、

さらに更年期に備える意味からも、

こうした女性の身体にやさしい卵巣セラピーがとても重要になってきます。

 

著者
こまえクリニック院長
こまえクリニック院長放生 勲(ほうじょう いさお)