不妊治療を考える前に

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コラム

不妊治療を考える前に

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2024年10月11日

妊活につまずいているあなたに大切なことは、急いで不妊治療を考えることではありません。〝今の自分に不妊治療が必要なのかどうか〟をまず考えてみることだと思います。

 

「妊活力チェック」という新しい提案

ブライダルチェックという言葉がありますね。私はそれを一歩進めた「妊活力チェック」ということを、「不妊ルーム」に相談に来られる方々によく言います。ブライダルチェックとはある時、婦人科を訪れて、その日に超音波検査や採血などを行ったりするピンポイントの検査です。それに対して「妊活力チェック」は、超音波検査に加え、初診日、生理中、高温期半ばの3つのチェックポイントで、採血によるホルモンや、亜鉛や銅などのミネラルのチェックを行います。その間にご主人の検査なども行って、異常がないかどうかを調べるものです。

これまでの経験から、3つのポイントでホルモン、ミネラル・バランスに問題がなく、男性の精液検査で問題がなければ、女性の年齢にもよりますが、自然妊娠はあり得るのです。ですから、ここで不妊治療にエントリーする前に、〝大きく深呼吸して〟踏みとどまってみる勇気も大切です。

〝チェンジ・オブ・エアー〟とよく言いますが、心の持ち方が変われば、リフレッシュして新たな気持ちで妊活に取り組めるものです。ですから、「不妊ルーム」に相談に来られるカップルに、「キーワードは〝リセット〟です」としばしば言います。

このような提案で、薬やサプリメントなどを使わずとも、若いカップルであれば短期間で妊娠します。そしてホルモンやミネラルの異常が認められれば、薬や漢方薬、サプリメントなどで改善させます。女性に、「1ヵ月間で基本的なデータを出します。そして、3ヶ月をめどに治療を軌道に乗るよう努力します」と、お話ししています。さらに3ヶ月たっても妊娠しないようであれば、「次のステップを考えてはどうですか?」というのが基本戦略です。実際のところ、この半年間のフォローアップで、カップルの約半数が妊娠します。

 

3つの法則は妊活の「1丁目1番地」

どんな病気であれ、軽症から重症まであるものですが、妊活に関しても、すぐに妊娠できると思われる人もあれば、苦労するだろうなと思う人もあります。ただ、妊活は難しいと思われる人が案外簡単に妊娠したり、逆にすぐに妊娠すると思う人が苦労することもしばしばです。

しかしながら、どんな状況であれ、妊活の「1丁目1番地」は、「不妊ルーム」お勧めのタイミング法、「3つの法則」です。「3つの法則」とは、①基礎体温表をつける、②排卵日検査薬を使う、③夫婦生活を増やす、ということです。この3つは、すべてカップルが家庭でできることなのです。まず自分たちでできることを行って、それでも結果ができなければ、次を考えるのが順当だと思います。この「3つの法則」の実践と、「卵巣セラピー」との相乗効果を期待した妊娠へナビゲーションを「不妊ルーム」ではおこないます。

 

子宮卵管造影は妊娠を呼び込む検査

ここで強調したい重要な検査がひとつあります。それは「子宮卵管造影検査」です。卵管の通過性を確認できる検査というのは、造影検査以外にはありません。しかしながら、最近開設されるクリニックには、ほとんどこの検査の設備がないのです。そうすると、とても大切な検査が抜けてしまうことになります。さらに、子宮卵管造影の重要性を強調するのは、治療的な側面があり、造影剤による「卵管のクリーニング」を行うことになるのです。子宮卵管造影検査をおこなった後の半年間、妊娠しやすくなることは、婦人医ならだれもが知るところです。子宮卵管造影検査の後妊娠した場合、「造影後妊娠」と、区別する医師もいるほどです。

 

病気であれば治療するのは当然

不妊治療をなるべく遠ざけましょうという提案をしつつも、私は不妊治療を否定するつもりはまったくありません。あなたに妊娠を遠ざける病気、障害物が存在していれば、それを治療する、取り除くことは医療として当然です。

女性には、妊娠を阻害する病気として子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、高プロラクチン血症などがあります。こうした病気は治療すれば、速やかに妊娠する人も少なくありません。しかしながら、自分に病気が存在することに自身で気づくのは、医療の素人であるあなたにはむずかしいと思います。自覚症状がなければなおさらです。

 

あなたに不妊治療が必要かチェックリスト

以下のチェックチェックリストを参考にしてみてください。不妊治療に進むべきかどうか、ひとつの判断材料になるでしょう。

 

□ 基礎体温表に高温期がない(一相性)

□ 月に5、6回以上セックスをしていて、1年以上妊娠しない

□ 生理痛がひどくて仕事を休むことがたびたびある

□ 生理が2ヶ月間こないことがたびたびある

□ 不正出血がひんぱんに見られる

□ 不妊治療を受けることについて、夫婦で十分に話し合い、合意している

 

以上の項目に該当するのであれば、婦人科の受診、不妊治療も考えてみましょう。

著者:こまえクリニック院長 放生 勲

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≪院長プロフィール≫
こまえクリニック院長 放生 勲

昭和62年3月 弘前大学医学部卒業

都内の病院にて2年間の内科研修

フライブルク大学病院および
マックス=プランク免疫学研究所留学

東京大学大学院医学博士課程修了
(東京大学医学博士)

平成11年5月こまえクリニック開院


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