不妊治療を継続させるコツ

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コラム

不妊治療を継続させるコツ

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2024年10月21日

不妊治療で妊娠という結果を得るにはいくつかの大切なポイント、心の持ち方があると思います。「不妊ルーム」での経験から、以下のようなことが大切だと思います。心に留めてください。

 

カップルがイニシアチブを持つ

不妊治療は時間が経つにつれて、どうしても女性の方が深入りして、視野狭窄になりやすいという傾向があります。ですから、パートナーの役割がとても重要になってくるのです。2人とものめり込んでしまうと、不妊治療のネガティブ・スパイラルに巻き込まれてしまうことにもなりかねません。このことをよく心して、男性の方がしっかりと手綱を握るというか、なるべく客観的な視野に立ってのフォローがとても大切なのです。そうしたことができるカップルが妊娠しやすいのです。

 

不妊治療リテラシーを持つ

不妊治療リテラシーの大切さに関しては、どれだけ強調しても強調しすぎることはないと思います。なぜなら、不妊治療の保険適用拡大以降、体外受精までの助走期間が著しく短くなっており、まさに不妊治療は、“体外受精エクスプレス”の様相を呈しています。

リテラシー(literacy)とは、「ある分野に関する知識を活用する能力」です。したがって、妊活リテラシーとは、情報を集めてそこでストップするのではなく、その情報を自分たちの頭の中で整理して、今後の進路を決めるのに役立たせていくことです。ロードマップ的なものを2人で話し合って作ることが大切です。どれくらいの予算を準備するのか、いつまで行うのか、そしてどこまでステップアップするのか、などといったことを2人で十分に話し合うことがとても大切です。

不妊治療の時間経過が長いカップルほど、リテラシーではなく、妊娠に関する知識や、不妊治療に関する情報などで頭の中がいっぱいになってしまいがちです。私はこうした人たちのことを「不妊博士」と呼んでいます。

 

セカンドオピニオンを求める

不妊治療はセカンドオピニオンを求めることが、妊娠へのブレイクスルーとなります。そのためには、適切なセカンドオピニオンを提供してくれる場所を選ぶことが大切です。「不妊ルーム」はその場所でもありたいと願っています。とくに最近の〝体外受精エクスプレス〟の状況を勘案して、体外受精のセカンドオピニオンには慎重を期しています。

 

体外受精を遠ざけて考える

体外受精を遠ざけて考えましょうと提案するのは、いくつかの理由があります。まず何よりも体外受精は金銭的な大きな負担に加え、女性側の精神的、肉体的な負担もとても大きいのです。とりわけ仕事の持つ女性が多い現在では、こうした医療に割ける時間は限られていると思います。また、ストレスや費用の面から、体外受精を経験したカップルは、たとえ子どもができても、1人で妊活を終えてしまうカップルが多いのです。

さらなる体外受精の問題点は、一人目を体外受精で授かると、二人目を考えたときに、一人目の経験から、ほとんど自動的に体外受精にエントリーしてしまうカップルも少なくありません。「余剰卵」という事情もあります。凍結された受精卵が保存されていると、二人目は、凍結卵を迎えに行きたいという気持ちになってしまうものです。こうした事情で自然妊娠を諦めてしまうのです。妊娠を阻害する大きな因子がどちらにもないのであれば、一人目を体外受精で授かったからといって、二人目が自然妊娠できない理由にはなりません。

 

「不妊ルーム」はこういうところです

「『不妊ルーム』とはどういうところですか?」という質問を受けます。私はこう答えることにしています。「『不妊ルーム』という場所は、自然妊娠と不妊治療の間に位置するベースキャンプのようなところです。できればこの場所で妊娠していただきたいと考えています。

「不妊ルーム」には「妊活を始めたいが、何から始めたらわからない」というカップルも来られます。私はそうしたカップルにもぜひ来ていただきたいのです。そうであれば、妊娠にアプローチする心構えといった基本的なことから教えできます。それに加えて、「不妊ルーム」でおこなっている、「3つの法則」を基本にしたタイミング指導で妊娠に至るカップルはたくさんいるのです。

「不妊ルーム」は、不妊治療だけが妊娠に至る道ではない、をモットーに運営しています。「不妊ルーム」で行っているフォローアップは、言ってみれば「内診台のない不妊治療」です。今まで、他の産婦人科で不妊治療をしてきた人たちが、私のもとを訪れて、たくさん妊娠しているという事実は、多くのカップルに「妊娠力」があることを物語っていると思います。

また、ベースキャンプですから、カップルが不妊治療へのステップアップを希望された場合、あるいは私が専門的な治療が必要と判断すれば、責任を持って信頼できる医療機関を紹介しています。またそうした医療機関とのコラボレーションによって妊娠に至るカップルもたくさんいます。

著者:こまえクリニック院長 放生 勲

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≪院長プロフィール≫
こまえクリニック院長 放生 勲

昭和62年3月 弘前大学医学部卒業

都内の病院にて2年間の内科研修

フライブルク大学病院および
マックス=プランク免疫学研究所留学

東京大学大学院医学博士課程修了
(東京大学医学博士)

平成11年5月こまえクリニック開院


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