不妊症は、カップルが赤ちゃんを欲しいと思ったとき、はじめて成り立つ病気です。
赤ちゃんを望まなければ、多くの場合病気ではなく、また、不妊ははっきりとした診断基準があるものでもありません。
ただ、「通常の夫婦生活をして2年間妊娠しなければ不妊症」という言葉を耳にしたことがあるかたも多いのではないでしょうか?
しかしながら、ここでいう「通常の夫婦生活」も、月に1回のセックスが「通常」であるカップルもいれば、毎日愛し合うことが「通常」であるカップルいたりなど、とらえ方は人それぞれです。
【不妊の人が必ず不妊治療が必要なわけではない】
カップルの10組に1組が不妊に悩んでいるといわれていますが、「不妊=必ず不妊治療が必要」ということではありません。
体外受精や顕微授精を行う医療機関においても、妊娠した人の70〜75%はタイミング法で妊娠しています。
タイミング法とは、簡単にいえば排卵日に合わせて夫婦生活を持つという、「限りなく自然妊娠に近い」方法です。
高度生殖医療が必要な人は不妊の方の10組に1組。
不妊の人の10組に9組は、「自然に近い形で妊娠する可能性がある」ということなのです。
不妊治療は大きな精神的、肉体的ストレスを伴うと、経験された多くの方が訴えています。
たとえ男性のほうに原因があったとしても、治療を受けるのは主に女性で、更に時間的、経済的なストレスが重なり、不妊症の治療が不妊をさらに悪化させる「不妊治療不妊」となることも少なくありません。
自然妊娠できる可能性があっても不妊治療に熱心になるあまり、セックスレスになってしまうカップルも多いのです。
不妊治療に進む前に、できることはたくさんあります。
今後こちらのコラムではその具体的な方法を紹介していこうと思います。
不妊症は一刻を争う病気ではありません。
医療の質が問われるこの時代、自分たちがどのような妊娠を望むのか、まずは夫婦ふたりで、じっくり考えてみてはいかがでしょうか。