「不妊ルーム」を開設してから20年あまりの歳月が流れました。
開院3年目に出版した『妊娠レッスン』は好意的に受け入れられ、12刷が発売になりました。
当時は今よりも、不妊治療というものがまだ周知されていなかったように思います。
また「妊活」という言葉もありませんでした。
そんな時代に私の最初の本、『妊娠レッスン』は、サーチライトの役割を果たしたと思います。
私が考える“シン”の妊活とは
私はここ数年、自分は、不妊治療の先生とはかなりスタンスが違ってきていると感じるようになってきました。
不妊治療とは一言で言ってしまえば、卵巣に鞭打つ治療と言えるのではないでしょうか。
経験のある方は、おわかりいただけると思います。
私はかねてより、不妊治療というのは、卵巣に大きなストレスというよりも、侵襲を与えているのではないかと考えるようになりました。
体外受精ともなると卵巣への負担はとても大きくなります。
しかし私は、本当に正しい“シン”の妊活とは、「卵巣をいたわり」「卵巣を元気にすることだ」と考えるようになってきました。
さらに言えば、妊活は、「女性がより美しさを目指すこと」、「若さを保つこと」とも同義語なのではないかとさえ思うのです。
女性ならだれしも美しくありたいと願うでしょうが、それ自体が妊活と思うのです。
ある童話と照らし合わせてご紹介いたしましょう。
イソップ童話「北風と太陽」と妊活
「北風と太陽」という有名な寓話がありますね。
北風と太陽が、マントを着た旅人を見て、あのマントを脱がせようと、競争をするわけです。
北風はピュー、ピューと風を吹きつけてマントを話そうとするのですが、旅人はますます凍えてしまって、マントをきつく握り締めて手放しません。
一方の太陽は、さんさんと日光を照らします。
すると旅人は、自らマントを脱ぎ捨てて、汗をぬぐいました。
これを妊活にあてはめて考えてみましょう。
「不妊ルーム」ではここ数年、「卵巣セラピー」に力を入れてきました。
「卵巣セラピー」とは卵巣をいたわることであり、旅人がマントを脱ぐような、驚くべき効果が見られているのです。
旅人は太陽にあたたかく照らされると、自らマントを脱ぐでしょう。
太陽を照らすとは、卵巣を元気にすること、より良い状態にすること。
それは具体的に、卵巣にいろいろな栄養を与えるということです。
こうした太陽のような治療こそが、妊活なのだと思うようになりました。
私が考える「卵巣セラピー」とは
私が考える卵巣セラピーとは、亜鉛と銅のバランスをコントロールし、足りない甲状腺ホルモンなどを投与し、卵巣を元気にする治療をいいます。
こうした卵巣への太陽治療が、妊活にはとても有効であるのみならず、もし将来的に体外受精などの高度生殖医療に進んだ場合でも、妊娠する確率が高くなります。
「卵巣セラピー」を工夫するにつれて、妊娠される方が増えるのみならず、年齢が高い女性の妊娠もますます増えてきているのです。
妊活にお悩みの方はお気軽にご相談ください。