私が20年以上運営している「不妊ルーム」のモットーは、
「不妊治療だけが妊娠に至る道ではない」ということです。
そして「不妊ルーム」を、自然妊娠と不妊治療の間の
ベースキャンプと位置づけました。
そうした考え方はとてもうまくいっていると思います。
なぜなら、このベースキャンプで妊娠される方がたくさんいるからです。
妊活においては、「ベースキャンプ」という考え方が
とても大切になってきます。
ベースキャンプとは登山等でよく用いられる言葉ですね。
高い山の頂上にアタックする場合、いきなり頂上を目指すのではなく、
麓と頂上の間にベースキャンプがあります。
ここで人々は、体調を整え天候を伺いながら、
チャンスを見つけて頂上にアタックするわけです。
これと同じように、妊活においてもベースキャンプを
持っておくことはとても大切です。
なぜなら例えば不妊治療にエントリーしてしまうと、
不妊治療の延長線上にしか妊娠がありえないような
思い込みが生じてしまうのです。
ベースキャンプ思考がないと、医療に流されるままになってしまいます。
自分たちで妊活に取り組んでいたカップルが、
「不妊ルーム」に来ることは、ステップアップになります。
その一方で、不妊治療を受けていた方が、
「不妊ルーム」でフォローアップすれば、ステップダウンです。
妊活は、ステップアップの一本道ではありません。
特に今日のように、不妊治療を開始から、
体外受精までの助走期間が極端に短くなっている現実を考えれば、
なおのことベースキャンプという考え方は大切だと思います。