進んで年をとらない

進んで年をとらない

女性のほうが年を気にするもの?

特に女性の方ですが、自分の年を必要以上に気にしすぎている人が多いような気がします。「不妊ルーム」にいらっしゃった方には、問診表を見れば、生年月日と年齢が私にはわかります。それで、「あなたは35歳ですね?」と尋ねると、「今年36になります」と答える人が多いのです。

 

焦れば焦るほど妊娠は逃げていく

誕生日の前日までは、まちがいなく35歳なのですが、なぜ自分から進んで年をとろうとするのでしょうか? 35歳の年のほとんどを、36歳の気分で過ごしているのでしょうか? 私はこの思考法がとてもネガティブだと思っています。

 

妊娠には可能な年齢というものがあります。それが、女性の気持ちを焦らせる大きな要因でもあります。ただ、その気持ちは男性には分かりづらく、夫婦の温度差を生む原因になるのかもしれません。

 

しかし、慌てたからといって妊娠できるものではありませんし、気持ちが焦れば焦るほど、妊娠は逃げていってしまいます。こういうときこそ「ポジティブ思考」です。「今年36歳」ではなく、「まだ35歳、まだまだ大丈夫」と自分に言い聞かせましょう。

著者
こまえクリニック院長
こまえクリニック院長放生 勲(ほうじょう いさお)

弘前大学医学部を1987年に卒業後、都内で内科研修を経てドイツ・フライブルク大学病院に留学し、帰国後は東京大学大学院で医学博士号を取得。2004年に「こまえクリニック」を開院し、不妊治療と相談を専門とする「不妊ルーム」を運営。自身も4年間の不妊治療経験を持ち、ストレスケアを重視した診療を行っている。『令和版 ポジティブ妊娠レッスン』(主婦と生活社)をはじめ、不妊治療に関する著書も多数出版している。

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