今回の本の構想は、2021年の春から考えはじめていました。
私は今から21年前に、「不妊治療だけが妊娠に至る道ではない」
というメッセージを皆さんに伝えたくて、『妊娠レッスン』(主婦と生活社)を上梓しました。
『妊娠レッスン』は妊娠しやすい心の持ち方、そして基礎体温表の重要性などを指摘して、多くの読者の支持を集め、6万部、12刷となりました。
しかし時は流れ、令和の時代となりました。
この20年あまりの間に女性の社会進出が進み、結婚年齢、そして妊活開始年齢も年々上昇してきました。
令和の時代に即した『妊娠レッスン』が必要なのではないかと、考えるようになったのです。
これまでも不妊治療の体外受精への傾斜が進んでいましたが、2022年の4月から始まった不妊治療の健康保険適用の拡大により、さらに助走期間が短くなりました。
こうした時代にあった、「卵巣ケア」の大切さ、心の持ち方をメッセージする本の必要性を強く感じ、執筆に取りかかったのです。
移りゆく不妊治療
私が今から21年前に『妊娠レッスン』を出した頃は、不妊治療というのが今よりかなりのんびりしていたように思います。
ステップアップ療法というのが一般的で、半年から1年間タイミング法をおこない、それで妊娠しなければセカンドステップとしての人工授精を5〜6回、それでも妊娠しなければ第3段階の体外受精などの高度生殖医療に移行するというのが一般的でした。
ところが年を追おうごとに、不妊治療はタイミング方から体外受精までの助走期間が短くなり、とりわけ高度生殖医療機関の多い東京はまさに不妊治療のレッドオーシャンとなっています。
こうした現状の下、不妊治療=体外受精の様相を呈しています。
しかし、体外受精は女性の卵巣に大きな負担をかける治療です。
私はこうした時代にあって、『妊娠レッスン』のDNAを残しつつ、新しい本の必要性を痛感するようになってきたのです。
現実の不妊治療では、卵巣は見向きもされず、卵胞、そして卵子にのみ眼がいっているのが現実です。
私はこうした現状に警鐘を鳴らしたいと思いました。
『令和版 ポジティブ妊娠レッスン』とは
『妊娠レッスン』のDNAでもある基礎体温表の大切さや、その正しい効果的な使い方についても詳細に記述いたしました。
通院されたOGの方の声などもたくさん盛り込みましたので、多くの皆さんが勇気をもらえる本だと思います。
原稿作成の段階で、「不妊ルーム」に通院されている方や、OGの方々に原稿を読んでいただきましたが、「一気に読めました」「前向きな気持ちになれました」「こういうふうな考え方もあるんだ」などと、好評です。
妊娠を望むすべてのカップルに、元気と、勇気と、羅針盤を与える本です。
『令和版 ポジティブ妊娠レッスン』Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4391158612/