卵巣セラピー(23)亜鉛不足は妊活の大敵です(2)

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コラム

卵巣セラピー(23)亜鉛不足は妊活の大敵です(2)

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2022年5月30日

長い間着床障害はブラックボックスでしたが、
亜鉛と銅が、着床に深く関与することがわかってきました。
女性にとって亜鉛は、受精卵の分割を促したり、
子宮内の環境を整える作用があるとても大切な元素なのです。

排卵や着床に関係する多くのホルモン(エストロゲン、
プロゲステロンなどの性ステロイドホルモンや甲状腺ホルモンなど)の合成や、
作用発現にも亜鉛が不可欠とされます。
ですから亜鉛は、女性の妊活とは切っても切れない関係にあるのです。

また、男性の場合は、精子形成や発育にも亜鉛が不可欠であり、
テストステロン(男性ホルモン)の合成にも亜鉛が必要です。

このように、亜鉛は、男性、女性ともに性機能に関わる重要なミネラルであり、
「セックスミネラル」と呼ばれるのです。

現代人の食生活では亜鉛が不足しがちになります。
亜鉛は意識して取らないと、なかなか十分量を摂取するのが難しいとされ、
亜鉛のサプリメントはドラッグストアーでも手に入りますから、
上手に利用するのは一つの方法だと思います。

亜鉛不足の参考になる血液検査項目の一つとして、
ALP(アルカリフォスファターゼ)があります。
亜鉛は健康診断の項目にはありませんが、
ALPは、ほとんどの場合あります。
亜鉛が不足すると、ALP低値となりますから、
そういう場合は要注意のサインです。

銅と亜鉛は吸収経路がほぼ同じで、十二指腸、小腸で吸収されます。
また、亜鉛と銅は、体内で微妙なシーソー・バランスの関係にあります。
腸内の濃度が高いほうがより吸収されやすいのです。
要するに亜鉛が増えてくると、銅の値が下がるという形になります。
銅はその濃度が高いと、着床を阻害します。
ですから、妊娠しやすい(着床しやすい)状態にするには、
亜鉛摂取を増やしていくことで亜鉛の吸収を高め、
銅濃度が上昇し過ぎないようにすることが重要です。

著者:こまえクリニック院長 放生 勲

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≪院長プロフィール≫
こまえクリニック院長 放生 勲

昭和62年3月 弘前大学医学部卒業

都内の病院にて2年間の内科研修

フライブルク大学病院および
マックス=プランク免疫学研究所留学

東京大学大学院医学博士課程修了
(東京大学医学博士)

平成11年5月こまえクリニック開院


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