とても印象的なご夫婦が私のカウンセリングを受けにきたことがありました。
「基礎体温表を見せてください」と言うと、
ご主人のほうがそそくさと自分のかばんから奥さんの基礎体温表を取り出し、
詳しく説明を始めたのです。
そのあいだ、奥さんはというとずっとプイと横を向いていて、
まるで上の空です。熱心なご主人に対し、気のない奥さん。
その光景を目にした私は「このままでは妊娠は難しい」と思いました。
このようなケースはレアで、実際には女性のほうが妊活にのめり込み、
男性が無関心、というのが多いのです。
いずれも、ふたりで気持ちを合わせ、
妊娠を望んでいるカップルが大多数であることはいうまでもありません。
いま述べたようなカップルは、排卵日の前後にしかセックスをしていません。
たとえ夫婦そろって病院に来ていても、心はバラバラ。
これでは妊娠が孤独との闘いになってしまいます。
しかし、夫婦の仲が良いと誰だって幸せな気分になれます。
新婚時代のように、ご主人は早く家に帰ろうと同僚の誘いを断り、
奥さんは腕によりをかけて夕食をつくって待っている。
まるでホームドラマのように、ふたりでいることが楽しく感じられれば、
相手のことを大切に考える余裕もできるし、
自然にお互いの距離が縮まり、スキンシップも増えることでしょう。
それによってセックスが「義務」ではなく楽しい行為になり、
離れてしまっていたお互いの思いがひとつになれば、
「願いは叶う」と信じる気になれるのではないでしょうか?
明るい気分は、妊娠に向かって、ポジティブな気持ちにさせてくれます。