「不妊ルーム」25年を振り返って(5)

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コラム

「不妊ルーム」25年を振り返って(5)

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2025年1月20日

『妊娠レッスン』が世の中に出てから

大変な苦労を重ねた末に私の本は、『妊娠レッスン』というタイトルで、2001年の6月にようやく世に出ました。本を書いている時に出版関係者の人から、「妊娠に関する本はニッチなのであまり売れない。3000部を捌くこともむずかしい。5000部売れたらベストセラーですよ」と言われていました。私もはじめての経験なので、右も左もわからない状態で、編集者の手の鳴る方へよちよち歩きをして、出版にこぎつけたわけです。しかし、その後は私の予期せぬ展開となりました。

6月14日の発売から2週間後に編集者から、「3000部増刷が決まりました」と、メールがありました。私は大変驚きました。さらに2カ月毎の増刷が続いたのです。何が原因でこうした現象が起きたのか、当初私はまったくわかりませんでした。

あとになって振り返って、その理由が私にもわかりました。SNS、バズルなどという言葉もなかった時代、私が立ち上げた「不妊ルーム」というホームページが、読者を惹きつける、いわばSNSになっていたのです。不妊に関する情報も乏しい中で、私のホームページは読者に情報のみならず、希望も与えていたのです。おおくのファンが集まっていたところに、本が降りてきたのですから、妊娠につまずいているカップルに支持されたのです。

時を同じくして、読者からのメールが私のもとに押し寄せました。「がんばらなくていいんですよね。安心しました」「先生、こんなに女性に寄り添った本を書いてくれてありがとうございました」「妊娠は忘れた頃にやってくるものですよね。私もそう信じます」などといった内容でした。私は本を書いて本当に良かったとつくづく思いました。

 

 

ChatGPTが答える『妊娠レッスン』とは

ところで『妊娠レッスン』は、どのような内容の本なのでしょうか? 自分の本を紹介すると、自画自賛になりかねないので、ここはChatGPTに登場してもらい、『妊娠レッスン』について尋ねてみました。その質問と回答が以下の通りです。

私の質問:『妊娠レッスン』とはどのような本ですか?

ChatGPTの回答

放生勲(ほうじょう いさお)先生による著書『妊娠レッスン』は、妊娠を希望する女性やカップルに向けた実践的なガイドブックです。この本では、妊娠に至るための健康的なライフスタイルや、妊娠のメカニズム、体づくりの方法などについて詳しく解説されています。また、不妊に悩む方々へのアドバイスや、医療的な選択肢についても触れられているのが特徴です。

主な内容としては以下のようなテーマが含まれています:

妊娠に向けた身体作り

栄養や運動、生活習慣の改善を通じて妊娠しやすい体を作る方法が紹介されています。

妊娠の仕組みの理解

排卵や受精、着床など、妊娠に必要な基本的な生物学の知識をわかりやすく説明しています。

不妊の原因と対応

不妊症の原因や、必要な検査、治療法についての具体的な解説が含まれています。

心のケア

妊娠に対するプレッシャーやストレスの軽減、パートナー間のコミュニケーションの重要性についても言及されています。

この本は、専門的な知識だけでなく、実生活で取り入れやすいアドバイスやヒントが豊富に含まれており、妊娠を目指す方々にとって役立つ情報源となっています。また、医師としての経験に基づいた具体的な提言やケーススタディが特徴です。

『妊娠レッスン』は、発売以来非常に好評を博し、19年間で12回増刷され、累計約6万部が販売されたとのことです。

 

さに、時代の変化に合わせて内容がアップデートされ、最新の妊娠・不妊治療に関する知識やアプローチが取り入れられた『決定版 妊娠レッスン』(新潮文庫)も出版されています。妊活に関心がある方にとって、有益な一冊です。

 

 

『妊娠レッスン』が受け入れられたのは

私は改めて、ChatGPTは凄いと思いました。本の本質をきちんとつかんでいますし、それでいてネタバレしないように内容については深入りしていません。ですからここで、著者である私が少しネタバラシをしてみたいと思います。

この本は婦人科医による妊娠の実用書とは違い、患者の心の中に踏み込み、寄り添って書いてあることが特徴です。このような書き方ができたのは、何よりも著者である私が、かつて不妊治療を経験し、今とは考えられないような当時のひどい診療状況を痛感していたからです。私と同じような経験をしているカップルが多くいると思い、そうした人たちの心のよりどころとなる本を書きたいと思い、それが表現できたことが大きかったと思います。

そして、メンタルなケアだけではなく、実用情報として、編集者が「新しい理論」と看破した「3つの法則」を詳しく記載しました。そしてそれを実践したカップルが、数多くの妊娠したことが大きいと思います。

「不妊ルーム」のモットーである〝不妊治療だけが、妊娠に至る道ではない〟のもとに、不妊治療に代わるものとしての「3つの法則」は、カップルが何よりも医療機関にかかることなく、自分たちにできることだということが、広く支持されたのだと思います。この本を末永く残したいと思った私は、ChatGPTにも述べられているように、新潮社から『決定版 妊娠レッスン』(新潮文庫)として皆さんに手に取っていただけるようにしていただきました。(つづく)

 

【お知らせ】

昨年12月よりXを始めました。役立つ妊活情報をいろいろ提供していきたいと思っています。「不妊ルーム」の〝不妊治療だけが妊娠に至る道ではない〟というメッセージを皆様に届けします。

XのURLは以下の通りです。

https://x.com/komacli_hojo

著者:こまえクリニック院長 放生 勲

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≪院長プロフィール≫
こまえクリニック院長 放生 勲

昭和62年3月 弘前大学医学部卒業

都内の病院にて2年間の内科研修

フライブルク大学病院および
マックス=プランク免疫学研究所留学

東京大学大学院医学博士課程修了
(東京大学医学博士)

平成11年5月こまえクリニック開院


≪アクセスMAP≫

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