「Golden 5 days」を楽しむ — 妊活にメリハリと遊び心を

「Golden 5 days」とは?

妊活をしているカップルにとって、もっとも大切な時間があります。

それが、排卵日検査薬で陽性反応が出てからの約5日間

医学的に見ても、この時期は妊娠の可能性が高まる「ゴールデンタイム」です。

ですが、ただ「タイミングを合わせる」ことだけにとらわれてしまうと、セックスは義務的なものになりがちです。

心の緊張やプレッシャーが高まりすぎると、自律神経のバランスも崩れ、かえって妊娠しにくくなってしまうのです。

そこでおすすめしたいのが、この期間を「Golden 5 days」と名付けて、ふたりのセックスを思い切り楽しむという発想です。

「特別なセックス」が関係を豊かにする

結婚生活におけるセックスは、恋人同士の時のように新鮮さにあふれているとは限りません。

同じ屋根の下で暮らすうちに、マンネリ化してしまうのが自然な流れです。

だからこそ、「普段のセックス」と「特別なセックス」を意識的に区別することが効果的です。

たとえば、「Golden 5 days」は、「エロティック5デイズ」「セクシー週間」と考え、ふたりで「これは特別な時間だ」と演出してみましょう。

そんなちょっとした遊び心が、日常とは違う高揚感を生み出してくれます。

特別感を盛り上げる工夫はさまざま。

おしゃれな下着や香りのよいアロマ、キャンドルを灯した照明などを取り入れるのもよいでしょう。

普段はしないような会話や、後で「セックス反省会」を開くのも一つのアイデアです。

小さな工夫の積み重ねが、二人の関係をより濃密にしてくれます。

「妊活」を忘れる勇気

妊活を続けていると、「妊娠できるかどうか」という思いが常に頭の片隅にあります。

それがストレスとなり、セックスを楽しむ余裕を奪ってしまうのです。

しかし、「Golden 5 days」は逆に、「妊娠のことは考えない」と割り切りましょう。

頭を空っぽにして、相手との時間をまるごと楽しむ。

ときには「欲望に身をゆだねる」くらいの気持ちが、むしろ妊娠への近道になります。

医学的にも、リラックスして副交感神経が優位になっているときのほうが、子宮や卵管の血流が良くなり、妊娠に適した状態になりやすいとされています。

妊活をあっけらかんととらえている人のほうが妊娠しやすい、というのは決して俗説ではないのです。

スマホよりパートナーを見つめる時間

この5日間をより豊かにするために、スマホや仕事のストレスからできるだけ距離をとってみるのもおすすめです。

気づけばベッドの横にスマホを置いてしまう習慣は、親密な時間を妨げる最大の敵です。

「スマホを見る時間を、相手を見る時間に置き換える」。

そう決めて過ごすだけで、ふたりの距離感はぐっと縮まります。

一緒においしいものを食べることで自然と会話が弾み、そこから体を求め合う。

そんな豊饒な時間を重ねることは、妊活だけでなく、人間としての「心の回復」にもつながります。

ピロートークやふろートークのすすめ

セックスの後の「ピロートーク」には、心をほぐす力があります。

それに加えて、お風呂で語り合う「ふろートーク」も効果的です。

お湯に浸かりながらの会話は、心身ともにリラックスさせ、ふたりの結びつきを深めてくれます。

「今日はどうだった?」とセックスについて率直に話してみるのもいいでしょう。

恥ずかしいと思うかもしれませんが、ふたりで笑い合いながら反省会をすることで、次のセックスがより豊かになっていきます。

「Golden 5 days」は人生のご褒美

Golden 5 daysは、妊活にとって重要な期間であると同時に、人生の中で最も有意義な時間のひとつかもしれません。

パートナーと向き合い、欲望を共有し、愛情を再確認する。

そうした体験は、妊娠という結果以上に、ふたりの人生を豊かに彩ります。

セックスを「義務」から「ご褒美」へ。

妊活を「苦しい戦い」から「楽しい遊び」へ。

発想を少し転換するだけで、見える景色はがらりと変わります。

Golden 5 daysは、妊娠の可能性を高める大切な時間。

けれどもそれ以上に、ふたりが「特別なセックス」を楽しみ、心と体を解き放つフェスのような時間です。

  • 普段と違う特別感を演出する
  • 妊活を忘れてリラックスする
  • スマホを手放し、相手を見つめる
  • 会話や工夫でセックスを深める

この5日間を「お祭り」として楽しむこと。

それが、妊娠への近道であり、ふたりの人生を豊かにする秘訣なのです。

著者
こまえクリニック院長
こまえクリニック院長放生 勲(ほうじょう いさお)