なぜ新しい本を出すのか? 近刊『最高のオキシトシン妊活』に込めた思い

私は5月28日、『最高のオキシトシン妊活』(ユサブル)を出版いたします。

なぜ今、新しい本を出すのか。その理由をお話ししたいと思います。

「不妊ルーム」を始めてから、私は多くのご夫婦と向き合ってきました。

その中で、妊娠にはもちろん医学的知識や技術が必要ですが、それと同じくらい「正しい情報がきちん多くの人々に届くこと」が大切であると痛感してきました。

つまり、“アウトリーチ”です。

「3つの法則」が教えてくれたこと

「不妊ルーム」の妊活には、長年大切にしてきた「3つの法則」があります。

  1. 基礎体温表をつける
  2. 排卵日検査薬を併用する
  3. セックスを増やす

とてもシンプルです。

しかし実際には、この基本を正しく理解し、継続できているカップルは決して多くありませんでした。

私はこの内容を『妊娠レッスン』(主婦と生活社)として世に送り出しました。

すると、想像を超える反響がありました。

「妊娠しました」というメールやお手紙が次々と届いたのです。

「病院に行くほどではないと思っていた」

「タイミングを勘違いしていた」

「夫婦生活そのものが減っていた」

そんな声が数え切れないほど寄せられました。

私はこの時、強く思いました。

診察室の中のできごとを、社会へ向かって発信しなければならない。

つまり、“アウトリーチも医療の一部”なのだ、と。

妊活を取り巻く環境は変化している

しかし時代は変わってきました。

女性の結婚年齢の上昇、

妊活開始年齢の高齢化、

仕事によるストレス、

睡眠不足、

人間関係の希薄化…。

現代の妊活は、以前よりはるかに複雑になっています。

その結果、「3つの法則」だけでは十分に対応できないケースが増えてきました。

特に感じたのは、

「排卵しているのに妊娠しない」

「検査では異常がないのにうまくいかない」

という方々の増加です。

私は診療を続けながら、「何かもっと根本的なものがあるのではないか」と考えるようになりました。

そして注目したのが、「オキシトシン」という脳ホルモンでした。

オキシトシンという“脳の妊活”

私が医学生だった頃、オキシトシンは「子宮収縮ホルモン」「乳汁分泌ホルモン」として教えられていました。

しかし2000年前後から、脳内の神経伝達物質としての重要な役割が次第に明らかになってきたのです。

オキシトシンは、「愛情ホルモン」「絆ホルモン」とも呼ばれています。

安心感、信頼感、ぬくもり、人とのつながりを感じた時に分泌されます。

そして近年では、ドーパミンやセロトニンと協調しながら、自律神経やホルモンバランスを整え、女性の身体を妊娠しやすい方向へ導くことがわかってきました。

私はこの考え方を臨床に取り入れ、「オキシトシン妊活」を勧めるようにしました。

すると、不思議なことが起こり始めたのです。

今までなかなか結果が出なかった方が妊娠される。

特に40代女性の妊娠が増え始めたのです。

もちろん、オキシトシンだけで妊娠するわけではありません。

しかし、「心」と「脳」と「身体」のつながりを無視して妊活は語れない時代に入ったのだと、私は確信するようになりました。

だから再びアウトリーチしたい

診察室で出会える人に限界があります。

しかし本には、その壁を越える力があります。

  • 地方に住んでいる方にも届く
  • 忙しくて病院へ行けない方にも届く
  • 誰にも相談できず、一人で悩んでいる方にも届く

私は『妊娠レッスン』で、その経験しました。

そして今回、『最高のオキシトシン妊活』でも、再び多くの方々へ届けたいと思ったのです。

出版までの道のりは決して平坦ではありませんでした。

「オキシトシン妊活」という考え方はまだ新しく、理解されにくい部分もありました。

しかし、その考えに共感する出版社と出会い、このたび上梓に至りました。

私は、『最高のオキシトシン妊活』もまた、多くの妊活中の方々の心に響くと信じています。

そして『妊娠レッスン』の時と同じように、「妊娠しました」という声が全国から聞こえてくることを願っています。

妊活は、医療技術だけではありません。

正しい知識を届けること、人を孤独にしないこと、希望を伝えることもまた医療です。

私はこれからも、「不妊ルーム」での経験を社会へ向けて発信し続けたいと思っています。

それが、私にできる“アウトリーチ医療”だと考えているからです。

なお、『最高のオキシトシン妊活』は、現在 Amazonのページ でも案内が始まっています。

ぜひ、多くの妊活中の方々に届いてほしいと願っています。

妊活ケアの名医が教える最高のオキシトシン妊活
著者
こまえクリニック院長
こまえクリニック院長放生 勲(ほうじょう いさお)