不妊治療の検査って何をするの? 男女別の内容・痛み・スケジュール

「不妊治療の検査に行こう」と決めたものの、具体的に何をされるのか分からず、不安を感じていませんか?

「痛い検査があるって聞いたけど…」

「男性は何をすればいいの?」

実は、女性と男性では検査にかかる「時間」と「負担」が全く異なります。

この記事では、不妊治療のスタートラインである「基本検査(スクリーニング検査)」の内容を、男女別に分かりやすく解説します。

1. 検査の全体像:期間とタイミング

まず知っておくべきは、「女性は1ヶ月かかる」「男性は1日で終わる」という違いです。

女性: 生理周期(月経中・排卵前・排卵後)に合わせてホルモン値が変化するため、最低でも1周期(約1ヶ月)かけて数回の通院が必要です。

男性: 周期がないため、いつでも検査可能です。

【ポイント】 男性側の検査結果によっては、女性側の辛い検査(卵管造影など)が不要になったり、治療方針が大きく変わったりします。

「夫婦同時スタート」をおすすめします。

2. 女性の検査内容(月経周期に合わせて実施)

女性の検査は、体のリズムに合わせて以下の3段階で行われます。

① 生理中(月経2〜5日目頃)

この時期は、卵巣の予備能やホルモンの基礎値を測ります。

血液検査(ホルモン検査)

FSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体形成ホルモン)、PRL(プロラクチン)などを測定。

経膣超音波(エコー)

子宮や卵巣の状態、チョコレート嚢胞などの有無を確認します。

② 生理終了後〜排卵前(月経7〜10日目頃)

ここが検査の山場です。

卵管造影検査(HSG)

o 内容: 子宮内に造影剤を入れ、レントゲン撮影で「卵管が詰まっていないか」を確認します。

o 痛み: 多くの人が最も恐れる検査です。「生理痛の重い感じ」から「激痛」まで個人差がありますが、詰まりがある場合の方が痛みを感じやすいと言われます。

o メリット: 検査後は卵管の通りが良くなり、約半年間は「ゴールデン期間(妊娠しやすくなる)」と呼ばれます。

子宮鏡検査(必要な場合)

内視鏡カメラで子宮内のポリープや筋腫をチェックします。

③ 排卵後〜着床期(高温期)

黄体機能検査(血液検査)

排卵後に、妊娠を維持するためのホルモン(プロゲステロン)が十分に出ているかを確認します。

※ 時期に関わらず行う検査

AMH(抗ミューラー管ホルモン)検査

「卵巣年齢」を知るための血液検査です。

卵巣にどれくらい卵子が残っているかの目安になります(※保険適用外の場合や、条件付きで適用のケースあり)。

感染症検査・甲状腺機能検査:採血で行います。

3. 男性の検査内容

男性の検査は主に「精液検査」ひとつです。

女性に比べて身体的負担はほぼありませんが、精神的なハードル(恥ずかしさ)が高いのが特徴です。

精液検査

• 内容: マスターベーションで精液を採取し、精子の「数」「運動率」「奇形率」などを顕微鏡で調べます。

• 方法:

o 院内採精: 病院の専用個室(メンズルーム)で採取。鮮度が良く正確なデータが出やすい。

o 自宅採精: 自宅で採取し、指定時間内(通常2時間以内)に持ち込む。リラックスできるが、温度管理や時間に注意が必要。

• 注意点: 精子の状態は日によって大きく変動します。結果が悪くても、日を改めて再検査すると正常値になることも多いです。

泌尿器科での触診(必要な場合)

精液検査の結果が著しく悪い場合、「精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)」などの病気がないか、男性不妊専門医(泌尿器科)で触診やエコーを行うことがあります。

まとめ:検査は「異常を見つける」ためだけではない

不妊治療の検査は、「悪いところを探す」ためだけのものではありません。

「自分たちの体に合った、最短の妊娠ルートを知るための地図」を手に入れる作業です。

特に男性は、「自分は大丈夫」と思い込まず、女性がつらい思いをして検査を受けている間、せめて精液検査だけは早めに済ませておきましょう。

それがパートナーへリスペクトであり、二人で親になるための第一歩です。

著者
こまえクリニック院長
こまえクリニック院長放生 勲(ほうじょう いさお)