ヒューナーテストとは
不妊症検査のひとつに、ヒューナーテストがあります。
この検査は別名「性交後試験」ともよばれ、精子と子宮の相性を調べる検査です。
ヒューナーテストの方法や検査の流れについては、検査当日の朝、もしくは前日の夜に夫婦生活を持って婦人科を受診し、子宮の頚管粘液、もしくは膣分泌物を採取し、その中に精子が存在しているかどうか、そしてその精子が元気に動いているかどうかを顕微鏡下で調べます。
この検査は、排卵日直前に行なうのが理想です。なぜなら、この時期が頸管粘液の分泌がピークになるからです。
ヒューナーテストの結果が良くない場合、男性の原因としては、精子の数が少ない、または運動率が低いといったことが考えられます。
女性では、頚管粘液不全や、頚管粘液がより酸性に傾いていることなども考えられます。
また、女性の体内に抗精子抗体(精子を異物と認識し排除する抗体)が産生されている可能性もあります。
ヒューナーテストは、男性が精液検査を嫌がる場合などに、代用して行われることもあります。
何度もヒューナーテストを試みても不良であれば、人工授精の適応と考えられます。
ヒューナーテストをどう考えるか
ヒューナーテストを重視する医師も多いですが、私はそんなに重要視していません。
なぜならこの検査は、再現性(同じ結果が出ること)が低いという問題があるからです。
例えば、あるカップルが、Aという婦人科で、「ヒューナーテストで精子が一匹も認められません。人工授精を考えて下さい」と言われ、別のBという産婦人科へ行くと、「ヒューナーテストでは、まったく異常は認められません」などとコメントされることはしばしばです。
また、”ヒューナーテスト不良”と言われた人で、当院のフォローアップで妊娠に至った人は、たくさんもいます。
何よりもこの検査は、セックスから検査までの時間に影響されますし、セックス時の性的興奮の度合いなどによって、結果が大きく左右することが知られています。
しかし、ヒューナーテストを何回行っても結果が悪く、そして、それまで妊娠していないという事実があれば、人工授精などのステップアップの根拠となりうると思います。
ヒューナーテストで結果が悪いと言われたら、そのまま鵜呑みにせず、再検査を申し出るということが大切だと、「不妊ルーム」では、皆さんにお伝えしています。