性急な不妊治療はNG

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コラム

性急な不妊治療はNG

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2021年12月17日

性急な不妊治療はNGです

一般論のように聞こえるかもしれませんが、どうも私には、今どきの「急がば急げ」の不妊治療が、生活のなかからうるおいを奪ってしまっている気がしてならないのです。

 
■「自分は不妊専門の医療機関に通っているのですが、治療のステップアップが早そうで、今すぐに人工授精や体外受精をすすめられたらどうしようか、本当に悩んでいました。先生もお忙しいせいかほとんど話を聞いてくれません。でも、今すぐに高度生殖医療を受けるのはやめようと心に決め、その代わり心と体を妊娠しやすい方向に持っていこう、何も急ぐ必要はないと思ったら、なんだか気持ちがスッキリしました」■
 

実際に不妊治療で悩んでいた女性の声です。
 

不妊治療の医療機関には、型どおりの診察と、テンポの速いステップアップで治療を行うところが少なくないようです。ではその速いステップアップの中で、患者さんが治療についていけない、ステップアップに躊躇している、ということに気づけている先生が果たして何人いるでしょうか?そして急いだとして、必ずしもいい結果につながるかというと、それも違うのです。
 

もちろん、卵管の通過障害などが原因となっている場合は、リラックスするだけではどうにもなりませんから、速やかに医師に相談する必要があります。時には回り道をしてじっくり治療することが、案外妊娠への早道だったりするのです。
 

「うさぎとかめ」のお話がありますが、現在の不妊治療は、おおむね「うさぎ」のようです。検査、治療と早いテンポでポンポンと前へ進んでいきます。直線コースのレースであれば、絶対にかめはうさぎに勝てません。ところが妊娠というのは、28〜30日周期のトラック競技のようなものです。かめがゆっくり歩いても、走ってきたうさぎがあなたのうしろにいるかもしれません。
 

慌てず急がず、のんびり歩いていくことも考えてみましょう。うるおいのある生活を楽しむことで、気分が明るくなることのほうが、妊娠によい効果をもたらしてくれるかもしれません。
 

著者:こまえクリニック院長 放生 勲

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≪院長プロフィール≫
こまえクリニック院長 放生 勲

昭和62年3月 弘前大学医学部卒業

都内の病院にて2年間の内科研修

フライブルク大学病院および
マックス=プランク免疫学研究所留学

東京大学大学院医学博士課程修了
(東京大学医学博士)

平成11年5月こまえクリニック開院


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