2人目不妊に体外受精は必要ですか?

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2人目不妊に体外受精は必要ですか?

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2024年9月3日

1人目は結婚してすぐできたのに、2人目がなかなかできない、いわゆる2人目不妊の女性がとても増えています。実際「不妊ルーム」でも、1人目を「不妊ルーム」で授かった女性が、2人目を希望して来院される女性も多くいます。

 

2人目不妊は、卵子のエイジングがかかわる

このコラムで2人目不妊を取り上げるのは、2人目不妊に次のような特徴が見られるからです。それは、1人目ができたあと、4、5年経ってから2人目を希望して、来院される方が多いのです。

これは、少し考えてみれば、極めて自然なことです。子供が一人産まれると、2人目を考えるどころではなくなります。そして、その子が、よちよち歩きをはじめ、保育園・幼稚園に入った辺りから2人目を考えるというケースがとても多いのです。そうすると、あっという間に4、5年が経ってしまいます。1人目の出産が30代半ばであれば、2人目は40歳前後ということも少なくありません。そうすると、「卵子のエイジング」が問題になってくるわけです。

 

2人目不妊は生活習慣病!?

2人目不妊は、不妊治療といった医療的介入をせずに解決することも多いのです。そのために大切なことは、今までを振り返ってみることです。私は「不妊ルーム」に2人目不妊で相談に来られた方に、「2人目を望んでいる今と、1人目ができた時とでは、セックスの回数は減っていませんか?」という質問をよくします。そして、これに対する答えは、判で押したように「激減しています!」となります。

これは考えてみれば自然なことで、1人目を希望しているときは、2人は、男性、女性の関係ですが、2人目となると、「パパとママ」に変わってしまっているのです。すなわち、マンネリ化が妊娠を遠ざけているのです。ですから、私は2人目の不妊は生活習慣病、正確には「性生活習慣病」だと思います。

 

開き直りという選択肢がある

2人目不妊には、開き直りという選択肢があることを忘れてほしくありません。2人目で悩んでいるあなたは、間違いなく1人目を妊娠し、そして出産したわけです。すなわち、あなたには妊娠する力があったことは間違いありません。しかし、2人目ともなると時間も経過していますから、卵子のエイジングということが気になるのです。

そこで、開き直ってみるというマインド・セットも必要ではないかと思うのです。なにがなんでも2人目と気持ちをせかせるのではなく、「2人目ができたらもうけもの」と、妊活を楽しむのは当然ありだと思います。35歳であれ、40歳であれ、妊活をしている人は、そうでない人に比べて、より若々しさを保てることは間違いありません。なぜなら、セックスを活発に行うわけですから、女性ホルモンの分泌、排卵レースも活発になりますから、若さをキープできるのです。

 

ジャンプアップするのも選択肢のひとつ

1人目を自然妊娠やタイミング法で妊娠したのに、2人目はどうしてもできないというケースにおいては、通常の不妊治療のようにタイミング法から人工授精へとステップアップに加えて、体外受精にジャンプアップするのも、年齢との相談しだいですがありです。

経済的に、ある程度余裕があり、計画性をもって取り組むのであれば、体外受精は、妊娠を呼び込む有効な治療であるのは事実です。女性の年齢が上昇するにつれて、妊娠率も低下してきます。そうした事実を厳粛に受け止めた上で、決断をカップルですべきだと私は思います。

ただ、2人目不妊に対する体外受精などの高度生殖医療は、慎重に考える必要もあります。なぜなら、子どもというのは、小さい時には手はかかりますが、そんなにお金はかからないものです。それが、手がかからなくなるにつれて、教育費など、今度はお金がかかるようになってきます。ですから、そこに、体外受精などの高額な医療が介入してくると、家計的に大変であり、そしてなによりも現実に育てているお子さんに、将来しわ寄せが来ることにもなりかねません。家族のライフプランニングという視点をより強く持ち、妊娠の戦略の中に落とし込んでいく姿勢が大切ではないでしょうか。

 

卵子のエイジング(老化)には卵巣セラピー

自然妊娠を期待するのであれ、体外受精にエントリーするのであれ、卵子のエイジングが気になる女性に対しては、卵巣セラピーが有効だとお伝えしたいです。妊娠するのになによりも大切なのは、卵巣の中で質の良い卵子が育つことです。年齢が上がるにつれて、そうしたことが難しくなってきますので、それにあらがうのが卵巣セラピーです。「不妊ルーム」でも多くの女性が妊娠されていますし、体外受精医療機関とのコラボレーションにおいても、卵巣セラピーという後方支援により、40歳以上の女性の妊娠が普通になりました。

 

3人目も考えてみる!

また2人目、2人目と思うのではなく、「あと2,3人、子どもが欲しいと思っているが、2人目はどうしようか?」などという気持ちの持ち方をしてみるのも、マインド・セットだと思います。

2人目を授かることができたら、3人目を持つというさらなる提案もしたいと思います。女性は子どもが1人できると、育児が大変で、「とてもじゃないが、しばらく子どもは、、、」という気持ちになります。そして2人目が授かると、もっと大変になってくるわけですから、妊活は終了という女性が多いと思います。夫婦が子どもを2人持つことを「標準世帯」と呼ばれ、それ以上子どもを持ってすべきではないという風潮の時代もありました。現在でもこうした流れがないわけではなく、例えばママチャリなども、前と後に子どもひとりずつの自転車ですから、これ以上はという気持ちになるのも無理はありません。

ひとり子どもをもつ女性が、近所のクリニックだからということで、「不妊ルーム」に訪ねてこられたことがありました。なにがなんでも2人目という感じではまったくありませんでした。そういう女性は簡単に妊娠するもので、彼女はほどなく2人目を授かりました。しばらくはそれっきりとなっていました。ところが、2人目を産んだ翌年に「先生、3人目は考えられませんか?」と相談に来られたのです。

もともと2人目も積極的ではなかった人なので、私が、「なぜ3人目を考えるようになったのですか?」と尋ねると、「家の中に家族が増えたことで、とても賑やかになったのです。3人目ができるとどうなるんだろうと考えるとワクワクもしてきました」と。

彼女は「卵巣セラピー」が奏功し、42歳で3人目ができたのです。しばらくして、「3人子どもができたことによって、家庭がコミュニティーになった」とメールがありました。こうした気持ちを持つことも大切だと私は感じました。

著者:こまえクリニック院長 放生 勲

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≪院長プロフィール≫
こまえクリニック院長 放生 勲

昭和62年3月 弘前大学医学部卒業

都内の病院にて2年間の内科研修

フライブルク大学病院および
マックス=プランク免疫学研究所留学

東京大学大学院医学博士課程修了
(東京大学医学博士)

平成11年5月こまえクリニック開院


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