不妊ルームの院長が執筆いたしました書籍「35歳からの妊娠スタイル」の内容の一部をご紹介いたします。
●子宮卵管造影検査も重要
そして女性側のもうひとつの大切な検査は、排卵された卵の、子宮内膜までの通り道である卵管に、通過障害がないかという通過因子の検索です。これには子宮卵管造影検査、通水検査、通気検査があります。私はこれまでのどの本でも子宮卵管造影検査の重要性を強調してきました。なぜなら、卵管の状態を画像としてクッキリとらえられるのは、子宮卵管造影検査のみだからです。
通水・通気検査を行って、異常がみられなくても、左右どちらかの卵管が通っているということしか言えないのです。子宮卵管造影検査は、レントゲン写真という画像情報が得られるのみならず、この検査の後の半年間、とりわけ最初の3か月間は、とても妊娠がしやすくなる治療的側面があることがよく知られています。
ですからあなたが、不妊の検査を受けようと思うのであれば、あなたが考えている医療機関に子宮卵管造影検査の設備があるかどうか、しっかりと確認しておくことはとても大切です。子宮卵管造影検査の設備のない婦人科の医療機関は、とても多いからです。
これまで述べた3つの検査を行って、どれも異常がみられないカップルは、それ以上色々な検査を行っても、異常がみられない場合が多いのです。私は不妊ということを複雑に考えすぎないためにも、検査もシンプルに考えることが、とても大切だと思っています。
Lesson 10
精液検査、女性のホルモン検査、子宮卵管造影検査で不妊の原因をつかむ
「35歳からの妊娠スタイル」