不妊治療でも妊娠できなかったふたり
「不妊ルーム」でとてもうれしい出来事が続きました。
43歳の女性と38歳の女性が、続けて妊娠されたのです。
もちろん年齢は違いますし、それぞれに違う背景があります。
しかし、おふたりには共通点がありました。
それは、「これまで一生懸命不妊治療を頑張ってきた」ということ、そして「検査をすると、DHEAとビタミンDが不足していた」ということです。
43歳の女性は、これまで体外受精を何度も経験されていました。
しかし、なかなか妊娠に至らず、「もう自分は妊娠できないのではないか」と深く悩まれていました。
一方、38歳の女性も、タイミング法や人工授精でも結果が出ず、不安と焦りの中で「不妊ルーム」に来られました。
妊娠には「卵子が育つ土台」が大切
私は常々、「妊娠とは、単に治療技術だけで決まるものではない」と考えています。
もちろん、排卵誘発剤も体外受精などの現代医療の力は非常に大切です。
しかし、それと同じくらい大切なのが、「卵子が育つ土台」を整えることなのです。
そこで、おふたりに血液検査を行ったところ、共通してDHEAとビタミンDの値が低いことがわかりました。
特にDHEAは、卵巣機能と深く関係しているホルモンです。
DHEAは副腎から分泌されるホルモンで、女性ホルモンの材料にもなります。
この値が低いと、卵胞の育ちが悪くなったり、卵子の質が低下しやすくなります。
ビタミンDとDHEAの重要性
一方、ビタミンDも非常に重要です
。最近では「ビタミンDは妊娠力に関係する」ということが世界中で注目されています。
ビタミンDが不足している女性は、着床率や妊娠率が低下する可能性があるとも言われています。
しかし日本は、比較的緯度が高いことに加え、日本人女性は、日焼け対策や生活習慣の影響で、ビタミンD不足の方が非常に多いのです。
そこでおふたりには、薬剤治療だけではなく、DHEAサプリメントとビタミンDサプリメントを服用していただきました。
そして定期的に血液検査を行い、数値の変化を確認していったのです。
DHEAはコントロールが難しい
実は、ビタミンDは比較的コントロールしやすい栄養素です。
しかし、DHEAは非常に難しいのです。
このサプリの感受性に個人差が激しいのです。
年齢、ストレス、睡眠、栄養状態、体質など、さまざまな要因が関係します。
そのため、「不妊ルーム」ではDHEAを非常に重視しています。
そして今回、おふたりともDHEAの血中濃度が良好な状態になったタイミングで、妊娠反応陽性となったのです。
卵子は「育つ環境」で変わる
私はこの結果を見ながら、改めて強く感じました。
「卵子は、育つ環境によって変わる」ということです。
不妊治療というと、多くの方は「薬」や「体外受精」に目が向きます。
しかし、本当に大切なのは、その治療が効果を発揮できる“身体の土台”を整えることなのです。
畑がやせていれば、どんなによい種を植えても育ちません。
卵子も同じです。卵子が育つ環境を整えることが、とても大切なのです。
「サプリもとても大切!」
その意味で、サプリメントは単なる「健康食品」ではありません。
私は、「必要なサプリは薬と同じくらい大切」だと考えています。
実際、医療現場では薬は細かく調整される一方で、栄養状態は見逃されがちです。
しかし、細胞は栄養がなければ働けません。
卵子も、ホルモンも、子宮内膜も、すべて栄養によって作られています。
つまり、栄養を軽視して妊娠は語れないのです。
もちろん、サプリを飲めば妊娠できるというわけではありません。
不妊の原因はひとつではなく、年齢、卵管、精子、子宮、ストレスなど、多くの要素が関係しています。
しかし、「不足しているものを補う」という視点は、妊娠を考える上で非常に重要なのです。
「薬だけではない妊活」を大切に
「不妊ルーム」では、単に薬を出すだけではなく、血液検査を通して、その方に何が不足しているのかを丁寧に見ています。
そして、卵子が育ちやすい環境を一緒につくっていくことを大切にしています。
43歳でも、38歳でも、身体が変わることで妊娠につながることがあります。
「年齢だけでは決まらない」。
今回のおふたりの妊娠は、そのことを私たちに改めて教えてくれました。
そして私はこれからも、「薬だけではない妊活」を大切にしていきたいと思っています。


