「卵巣セラピー」とは
こまえクリニック院長の放生(ほうじょう)です。
「卵巣セラピー」とはなに?と思われる方も多いと思いますので、これからご説明します。
妊娠するために何よりも大切なのは、卵巣の中で質の良い卵子が育つことです。これは自然妊娠でも、体外受精でも、同じことです。しかしながら、不妊治療は多くの場合、卵巣に大きなストレスをかける治療になっています。
卵子と卵巣を、金魚と水槽に例えてみましょう。金魚が元気で泳ぐためには水槽のコンディショニングが大切なはずです。同様に良好な卵子が育つためには、卵巣が卵子にとって心地よい状態である必要があります。そうした環境を作るのが「卵巣セラピー」です。
「不妊ルーム」では「卵巣セラピー」によって、30代の方はもちろんのこと、40代の方の妊娠も増えてきています。
「卵巣セラピー」は、私の造語です。
この言葉に私は、「卵子より卵巣が先」という意味を込めています。
女性は年齢が高くなるにつれて、卵子が老化し、質が落ちることが知られています。
卵巣セラピーとは、漢方薬に加え、亜鉛や銅の血中のバランスを整え、甲状腺ホルモンなどをコントロールします。
さらに、「若返りホルモン」とも呼ばれるDHEAサプリメントを用いて卵巣を元気にして、質の良い卵子を育てる治療です。(※DHEAサプリメントは医療機関でのみ入手できます)
それでは、「不妊ルーム」でおこなっている「卵巣セラピー」について具体的に説明します。
「不妊ルーム」で甲状腺ホルモン製剤を取り入れてから妊娠される方が増えてきました。
甲状腺ホルモンは「元気の源ホルモン」です。
良好な卵子が育ち、流産率を下げるには、甲状腺ホルモンのコントロールが極めて大切なのです。
「不妊ルーム」のフォローアップではTSH(甲状腺刺激ホルモン)や甲状腺ホルモンの値を細かくコントロールしています。
TSHを指標にして、体の中に甲状腺ホルモンが十分にある状態にすることで、良好な卵子が育ちやすくなります。
妊活を考える上で、亜鉛と銅のバランスがとても大切です。
2018年に「亜鉛欠乏症を伴う不妊症」に、ノベルジンというお薬が保険適用となりました。ノベルジンは亜鉛製剤です。
最近の研究から、亜鉛は精子のみならず、卵子の成熟に重要な役割を果たすことがわかってきました。すなわち、亜鉛の濃度が低いと、卵巣の中で良好な卵子が育ちにくくなるのです。
一方銅は、受精卵の着床に関わり、銅の血中濃度が高いと、受精卵は子宮内膜に着床しにくくなります。
そして亜鉛と銅は、体内でシーソー・バランスの関係にあります。 要するに亜鉛が増えてくると、銅の値が下がるという形になります。
亜鉛と銅のコントロールを綿密におこなえば、妊娠につながりやすくなります。
亜鉛と銅は、妊娠の”キー・ミネラル”だと理解してください。
妊活に大切なビタミンに、ビタミンDがあります。
体外受精の研究から、ビタミンDが卵子の成熟に大切な役割を果たすことがわかりました。
ですから通常の妊娠においても、ビタミンDの値が高い方が妊娠しやすいと考えられます。
ところが日本人女性の9割は、ビタミンD欠乏症の状態にあります。なぜでしょうか?
ビタミンDは、2割は食事から摂取されますが、残りの8割は皮膚で合成されます。 この時、太陽の光が必要なのですが、日本は比較的緯度が高く、日本人女性はUVケアに熱心ですから、ビタミンD不足になるわけです。
ビタミンDは、サプリメントで摂取できますし、比較的容易に数値が改善してきます。
「不妊ルーム」では、ビタミンDサプリの摂取のみで、妊娠した人はたくさんいます。
「不妊ルーム」での2200名近い妊娠は、DHEAサプリメントなしには考えられません。
DHEAは女性ホルモンの材料です。そしてこの材料は女性の加齢とともに減少します。それをDHEAサプリで補充できます。
また、私は体外受精で妊娠された方の報告を受けると、カルテを振り返り、採卵した周期のDHEAの値をチェックします。 そうすると、ほぼ例外なくDHEAが理想に近い値の時に、採卵がおこなわれているのです。
すなわち、DHEAサプリを服用することによって、良好な卵子が育ちやすくなるため、結果として体外受精がうまく進行し、その受精卵を移植し、妊娠に至る場合が多いのです。
また、「不妊ルーム」で妊娠された女性を調べてみても、妊娠した周期のDHEAが理想値に近いことが多いのです。すなわち、自然妊娠であれ、体外受精であれ、DHEAの数値をコントロールすることが、妊娠にはとても大切だと実感しています。
このように亜鉛や銅などのミネラルや、甲状腺ホルモン、ビタミンD、DHEAの採血をこまめに行います。
こうした検査は、DHEAを除き保険適用でおこなえますので、費用はおさえることができます。
そして、クスリやサプリで血中濃度を微調整します。これにより、卵巣の中で良好な卵子が育つ環境になります。
こうした時期に性交して卵子が精子とめぐりあう、あるいは採卵、そして体外受精ができれば、妊娠につながりやすくなります。
こまえクリニックでのセラピーが実を結び、妊娠できました。
卵子の環境を整えることが妊娠の鍵との先生の説明に、納得の上で治療を進めました。
体に優しいアプローチで、ストレスなく続けることができました。
先生の助言に従って、結果が出せて嬉しいです!
Tさん(38歳)
他の産婦人科で不妊治療をしていました(体外受精で胚移植を4回)が、なかなか妊娠に至らず・・・。 知人の紹介でこちらに転院しました。
こちらで採血をおこない、亜鉛と銅を調べたところ、銅の濃度が高かったため、ノベルジンを服用し、5回目、凍結卵を移植したところ、無事妊娠に至りました。 本当に感謝しかありません。
何が原因なのか?など徹底的にきちんと調べてくれて最短距離で結果を出してくださいました。
もちろん費用もそこまでかかっていません。先生は話し方など確かに少しクセがあるかもしれませんが、いつもプロ目線の最適なアドバイスをくれるし、不妊治療は結果が大事だと思いますので、そういった目線で考えると、とても良いクリニックでした。
Hさん(43歳)
「不妊ルーム」では「卵巣セラピー」によって、30代の方はもちろんのこと、40代の方の妊娠も増えてきています。
さらに、体外受精にエントリーされる方は、事前に「不妊ルーム」で卵巣セラピーを行い、ホルモンバランスを整えてから、体外受精をおこなってもらいます。
こうした準備により、40代女性の体外受精の妊娠は、「卵巣セラピー」をおこなう以前の3倍になりました。
「卵巣セラピー」を行うための検査は健康保険適用で行われます。
DHEA検査を除き、亜鉛-銅バランスの検査や、甲状腺ホルモンチェックも健康保険適用となります。
したがって、毎月の検査代は2000円前後と考えてください。
「不妊ルーム」のホームページには、
無料相談ページも設けております。
匿名でも受け付けていますので
お気軽にご活用ください。
こまえクリニック「不妊ルーム」は“必ずしも、不妊治療だけが妊娠に至る道ではない”という信念のもと、カウンセリングやその後のフォローアップを通して妊娠を切実に希望される方に寄り添いつつ、より自然に近い形で妊娠するためのお手伝いを続けています。
2000年5月に開設して以来、「不妊ルーム」で妊娠された方はすでに2,000名を超えました。
妊活をこれから始めようという方から、体外受精に関するご相談まで、9,000組近いのカップルのカウンセリング経験から、あなたが妊娠にアプローチできるようアドバイスいたします。