不妊症、不妊治療相談トップ「不妊ルーム」物語 No.7 妊娠の季節

「不妊ルーム」物語

No.7 妊娠の季節

 私は、2000年の1月に「不妊ルーム」を開設し、カウンセリングをはじめました。  そして、同年5月頃より治療にも取り組むようになりました。うれしいことに、今年に入って妊娠される方の数がとても増えてきて、職員一同喜んでいます。ここ半年間で妊娠された方を月別に示すと、4月3人、5月7人、6月1人、7月3人、8月8人、9月2人です。当院でフォローアップしている方が、通常40?50名ということを考えれば、驚くような数字だと私自身は思っています。ここで、気づくことは、5月と8月がとても多いということです。これはなぜでしょうか?4月の終わりから、ゴールデンウィークがありますね。また、7月~8月は夏休みをとる人が多いですね。そうです。これらのシーズンは休暇の取れる季節なのです。やはり、精神的にも、物理的にも余裕の持てる時期に、人は妊娠しやすいのですね。

 人工授精、体外受精などで妊娠を期待する場合は、このような季節性はありません。しかし、そのような治療を受けている方を含め、すべてのカップルが「できれば自然な形で妊娠したい」という希望を持っていることを、私はカウンセリングや、これまでに私のもとに届いた2000通を超えるメール相談で知っています。不妊治療を受け、とくにその期間が長くなると、妊娠が不妊治療の延長線上にあり、またその延長線上にしかあり得ないという思いこみが生じてきます。私のところで、妊娠された方の中には、人工授精をおこなっても妊娠に至らなかった方もおおぜいおられますし、体外受精でもダメで、妊娠に至った方もいます。不妊治療の袋小路に陥っている方から、メールをいただくこともしばしばですが、そういう方には、「不妊治療を休んでみるのも、不妊治療ですよ」とアドバイスすることがあります。すると、メールを受け取った方から、「目から鱗が落ちた」、「気持ちがすーっと楽になった」などのお礼が届くことが多いのです。

 不妊治療に関して、体外受精や顕微授精といった高度生殖医療をおこなう不妊治療の専門医療機関においても、妊娠に至った人の約75%は女性の排卵期にあわせて夫婦生活をもつというタイミング法で妊娠しています。高度生殖医療が必要なケースは不妊症の方の約10%です。このことからも、不妊治療を受けているということは、多くの場合、自然妊娠の可能性を否定するものではないのです。このことはとても重要です。

余談ですが、財務省の役人といえばエリートですが、猛烈に仕事が忙しいことでも知られています。とくに秋口から、予算折衝が山場を迎える年末は猛烈に忙しく、役所に泊まり込みになることも多いそうです。それが、年が明けると一転して仕事の量が減るそうです。そうした事情があってか、この役所のお子さんには、10月生が多いそうです。「3人の子どもはみんな10月生だ。」と武勇伝のように思っている人もいるそうです。

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≪院長プロフィール≫
こまえクリニック院長 放生 勲

昭和62年3月 弘前大学医学部卒業

都内の病院にて2年間の内科研修

フライブルク大学病院および
マックス=プランク免疫学研究所留学

東京大学大学院医学博士課程修了
(東京大学医学博士)

平成11年5月こまえクリニック開院

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