
タイミング法|一般的不妊治療
タイミング法
「自然妊娠の可能性があれば」、女性が妊娠しやすい時期にセックスすることは、妊娠の確率を高めるために有効な方法です。タイミング法は、そのためのひとつの方法です。不妊治療は多くの場合、このタイミング法からスタートします。
他にも人工授精などもございますが。
基礎体温をもとに、排卵日付近に、超音波検査で卵胞の大きさを測定し、排卵日を予測し、最良なタイミングでのセックスを指導する方法です。尿中のLH値なども参考にすることもあります。また、タイミングをより良くするために、hCG注射を併用することもあります。
月経開始から2週間前後に排卵があるわけですが、卵子の寿命は12~14時間、精子は女性の体内では24~48時間受精能力があるといわれています。最終低温日の前日~体温上昇の3日目までが妊娠する可能性が高いということになります。このタイミングでセックスをするように指導するわけです。
(大牟田天領病院婦人科部長 吉田 耕治先生監修)
「不妊ルーム」に来られる女性のお話を聞いていると、不妊治療の第一段階でおこなわれるタイミング法ですが、日を追うごとになおざりになってきているという印象を受けます。
また、医師から排卵する確率の高い日を教えてもらい、その日にセックスすることによって、妊娠を期待するということは、合理的なようにも思えますが、実は大きな落とし穴が存在しています。何よりもセックスという行為が、妊娠のみを目的としたその日限りの義務的なものになってしまいがちなのです。
不妊治療の現場でも卵胞チェックをこまめにおこなわなくなってきている現状を考えると、私がお勧めしている「排卵日検査薬」と「基礎体温表」を使った、いわば自分たちできるタイミング法が、より効果があるのではないかと私は思っています。
「不妊ルーム」に相談にこられるカップルの中にも、タイミング法で精神的にまいってしまい、不妊治療からバーンアウトしてしまったという訴えを、数多く耳にしてきました。私はこうした状況を「不妊治療不妊」という言葉を使って表現したわけです。
妊娠はあくまで二人の「妊娠力」によって、呼び込むものという気持ちを忘れないことが何よりも大切だと、タイミング指導を受けている方には特にアドバイスしたいと思います。
なお、最終低温日の前日?体温上昇の3日目までを、私は著書『新・妊娠レッスン』『妊娠入門』で、"ゴールデン5days "と表現しました。『新・妊娠レッスン』にも書きましたが、"排卵したとき、そこに精子があることが重要"なのです。