不妊症、不妊治療相談トップ 不妊治療とは?

不妊治療と体外受精
病院(クリニック)の選び方

不妊治療の落とし穴

「子どもができづらいな?」と感じたカップルが、自分達で排卵日検査薬や、基礎体温表を使っても妊娠に至らない場合、不妊治療のために婦人科のドアをノックするというのが一般的です。

そして、私にはそこに大きな落とし穴があると思うのです。

不妊治療に限らず色々な病気において、病院選びはとても大切ですが、不妊治療ほど病院選び、正確には医療機関選びが大切な医療はないと思います。

まず知っておいていただきたいことは、不妊治療に関しては、治療の中心が大学病院などの大きな病院から、個人のクリニックへシフトしているということです。このことは、一般のカップルにも浸透してきています。

しかし反対に、「とりあえず家の近所、職場の近所」という理由から婦人科のクリニックを選び、不妊治療にエントリーして、失敗したカップルを数多く見てきました。

子宮卵管造影検査の無い不妊治療はない

それには、大きく2つの理由があります。

私の「不妊ルーム」での8000組の不妊相談の経験から、婦人科医師のすべてが、不妊診療に精通しているわけではありません。しかし婦人科医という理由で、ほとんどの医師が不妊治療をおこなっているというのが現実です。

したがって、私の目から見て、おかしなことが行われているという経験をしばしばしています。「婦人科」という名前の拘束性でしょうか? 男性因子を全く調べないクリニックや、女性側の通過因子が全く検索されていないこともしばしば経験しています。

そしてさらなる大きな落とし穴は、街のレディースクリニックのほとんどで、子宮卵管造影検査という不妊診療における最も大切な検査の設備が無いということです。

私は“子宮卵管造影検査の無い不妊治療はない”と考えているほど、この検査を重要視しています。

不妊治療は
ステップアップ療法です

不妊治療にエントリーすると、多くの場合ステップアップ療法が始まります。

タイミング法からスタートしますが、タイミング法とは、医師が経膣超音波で、卵巣の中の卵胞という卵を包んでいる袋の大きさを計測し、それから排卵日を予測し、女性にセックスを持つ日をアドバイスするというものです。通常、この治療が半年から1年間行われる、というのが一般的です。

そして、それで妊娠に至らなければ、不妊治療の第2段階の人工授精に移行するわけです。

人工授精とは簡単に言えば、パートナーの精液を洗浄、濃縮し、女性の子宮の中に入れるというものです。この治療も、通常5~10回程度行われるのが一般的です。しかし、人工授精においては、妊娠とセックスが切り離されてしまうということで、心理的抵抗を感じるカップルも数多くいます。

また、人工授精における妊娠率が低いことも、大きな悩みとしてあります。これで妊娠に至らなければ、第3段階の高度生殖医療に移行します。

体外受精、顕微授精は
高額医療です

体外受精、顕微授精などは、高度生殖医療といわれます。

体外受精とは、女性の卵巣から卵子を体の外に取りだして、精子とシャーレの中で受精させ、培養器で培養し、良好な受精卵を子宮の中に戻すという治療です。

顕微授精は、1個の精子を、顕微鏡で観察しながら、直接卵子の中に注入する治療です。

高度生殖医療における排卵誘発には、現在大きく2つの流れがあります。それは、できるだけ多くの卵子を獲得するため、注射を頻回に行い、多くの卵を採卵し、良好な受精卵を戻すという方法で、「刺激法」と呼ばれます。それに対して、女性は刺激をしなくても毎月1個の卵を排卵するわけですから、その排卵するはずの卵を、排卵直前に採取して、体外受精・顕微授精などを行い、子宮の中に戻すというものです。この方法は「自然周期採卵」と呼ばれ、とても高い技術が要求されます。

不妊治療は、第1段階のタイミング法は健康保険適応で、1回当たり数千円ですが、人工授精からは自由診療となります。そして、人工授精の料金は、2万~3万円というのが一般的です。

しかし、体外受精などの高度生殖医療に移行すると、1回当たりの医療費が30万~60万円、医療機関によっては、100万円というとても大きな金額になります。経済的、心理的、肉体的負担が、体外受精においてはとても大きくなります。

ですから、体外受精などの高度生殖医療は、医療機関選びが何よりも大切なわけです。

「不妊ルーム」は
体外受精カウンセリングも
おこなっています

こうした現実に対応すべく、私は2006年より不妊カウンセリングに加える形で、体外受精カウンセリングというものをスタートさせました。

「高額の医療費がかかる、体外受精などの高度生殖医療における費用を、何とか小さくできないか?」という思いからスタートさせたものです。

現在、体外受精などの高度生殖医療にエントリーする女性の数は、年を追うごとに増えています。それは、何よりも結婚年齢の高齢化、そしてそれはとりも直さず、不妊治療開始年齢の高齢化に繋がっているからです。

妊娠できるかどうかの重要な点は、女性の卵巣の年齢、もっと正確に言えば、卵子の年齢です。体外受精などにおいては、良好な受精卵の選別ということが、培養の過程で自動的に行われるため、不妊治療開始年齢が高齢である場合、体外受精を勧める医師が多くなってきています。

よく、「不妊治療で妊娠した場合、ダウン症などの先天性異常児の発生率が増えませんか?」などといった質問を受けますが、不妊治療という介入によってこうしたダウン症などが増えるというデータはありません。むしろ、不妊治療の開始年齢の高齢化ということが問題なのです。

女性の年齢が高齢になればなるほど、妊娠が難しくなる、流産率がアップする、ダウン症などの先天性異常児の発生率が上がるということは、自然妊娠においても不妊治療においても同じです。

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≪院長プロフィール≫
こまえクリニック院長 放生 勲

昭和62年3月 弘前大学医学部卒業

都内の病院にて2年間の内科研修

フライブルク大学病院および
マックス=プランク免疫学研究所留学

東京大学大学院医学博士課程修了
(東京大学医学博士)

平成11年5月こまえクリニック開院

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