「北風と太陽」本を準備しています
私は「不妊ルーム」を開設して23年になります。
開院3年目に出版した『妊娠レッスン』は好意的に受け入れられ、
12刷が発売になりました。
当時は今よりも、不妊治療というものが、
まだ周知されていなかったように思います。
「妊活」という言葉もありませんでした。
そんな時代に『妊娠レッスン』は、サーチライトの役割を果たしたと思います。
それから月日が流れ、本年は『妊娠レッスン』の発売から20年になります。
そしてその間に不妊治療は、急速に進展してきました。
その変化を一言で言ってしまえば、「不妊治療=体外受精」になったことです。
私はかねてより、不妊治療というのは、卵巣に大きなストレスというよりも、
侵襲を与えているのではないかと考えるようになりました。
体外受精ともなると卵巣への負担はさらに大きくなります。
そして、「真の妊活とは卵巣をいたわること」という、
卵巣の立場に立った妊活を考えるようになったと同時に、
私の目に映る景色も違ってきました。
「北風と太陽」という寓話がありますが、旅人が羽織る「不妊というマント」
を脱がすにはどうすればいいでしょうか?
不妊治療は北風を吹きつけてマントを吹き飛ばそうとしますが、
旅人は、ますますマントを強く握りしめてしまいますね。
旅人は太陽にあたたかく照らされると、自らマントを脱ぐでしょう。
太陽を照らすとは、卵巣を元気にすること、より良い状態にすること。
それは具体的に、卵巣にいろいろな栄養を与えるということです。
「不妊ルーム」ではここ数年、「卵巣セラピー」に力を入れてきました。
「卵巣セラピー」とはまさに卵巣をいたわることであり、
旅人がマントを脱ぐような、驚くべき効果が見られているのです。
今回の本では、そうしたことを皆様にお伝えしたいと思っています。