多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)もしばしば見かける病気です。
卵巣のなかで卵子は成熟するのに、
卵巣の外側の膜がかたくて排卵できない、
排卵障害の代表的な病気のひとつです。
この病気をわかりやすく説明しましょう。
金魚鉢をイメージしてください。
金魚鉢が卵巣で、金魚の口からでた泡が卵胞です。
アワは水面に向かって上昇するとともに大きくなり、
水面に達するとはじけて消えます。
それが多嚢胞性卵巣症候群では、アワがでても、
水面に油の膜(じっさいには卵巣の表面の膜がかたい)があって、
外に飛び出すことができないのです。
このため、多嚢胞性卵巣症候群の患者さんに超音波検査を行うと、
卵巣のなかにポカリと抜けた丸い空洞(卵胞)が
たくさん並んでいるのを観察できます。
婦人科医はこれをネクレスサインと呼んでいます。
からだはなんとか排卵させようとして、
排卵をうながす黄体化ホルモン(LH)を常時多量に分泌します。
そのため、多嚢胞性卵巣症候群ではLHの値が高値を示します。
基礎体温の乱れ、月経不順がみられます。
したがって排卵が不規則で、まったくない人もいます。
治療には注射の排卵誘発剤がよく使われます。
しかし、排卵誘発剤を投与すると、
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が
通常より発症しやすく注意が必要です。
「不妊ルーム」では、漢方薬単独、
あるいは、クロミッド+漢方薬で妊娠される方が多いです。
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