女性であれば誰しもが、美しくありたい、
いつまでも若くいたいと願うと思います。
女性を女性らしくしているもの、若さをたもつもの、
それは一般に女性ホルモンといわれるものです。
正確な医学的な言い方をすると、エストロゲン(卵胞ホルモン)です。
このエストロゲンが、女性らしい体つき、髪のツヤ、肌のハリなどに
頑張ってくれているのです。
ところで、エストロゲンはどこから分泌されるでしょうか?
私はこの質問を20人以上の女性にしたのですが、
「卵巣」と正解したのは1名のみでした。
「わかりません」と言う回答が1番多く、
「脳から」「子宮から」、中には「甲状腺から」という回答もありました。
ほとんどの女性が、女性ホルモンはどこから分泌されるか知らないのです。
そのことに私は驚きました。
このホルモン分泌のメカニズムを少し詳しく説明してみます。
卵巣の中の卵子は、ほとんどが休眠状態ににある
原始卵胞と呼ばれる卵胞の中にあります。
眠っているのですからホルモンなどは分泌されません。
脳からの卵胞刺激ホルモン(FSH)というシグナルによって、
1回の排卵周期あたり、500〜1000個の原始卵胞が目を覚まし、
排卵に向けたレースにエントリーします。
この目覚めた卵胞は日を追うごとに大きくなるとともに、
卵子のまわりに顆粒膜細胞というものが増えます。
この顆粒膜細胞から分泌されるのが、エストロゲンです。
排卵レースが始まると、多くの卵胞は脱落していくのですが、
生き残った卵胞は大きさが増すとともに、顆粒膜細胞も増えますから、
女性ホルモンの分泌も多くなります。
そして1番大きくなった卵胞、これを主席卵胞と言いますが、
その主席卵胞のみが排卵する権利を得るのです。
排卵が終わると、残りの卵胞は自然消滅しますので、エストロゲンは減少します。
このように女性の排卵レースが活発であれば、エストロゲンの分泌も高まり、
肌のツヤも良くなリ、美しさに近づけるというわけです。
そのためには卵子の入れ物である卵巣のコンディショニングが、
いかに大切かおわかりいただけるのではないでしょうか。
卵巣の状態がいい→卵子が元気になる→妊娠に近づくというわけです。
ところで、この顆粒膜細胞というちょっと聞き慣れない細胞、
妊活でとても重要な意味を持っているのですが、
それはまた別の機会にお話ししたいと思います。