自分の思いは誰かに話そう
私のパソコンにはたくさんのメールが送られてきます。
携帯からのメールの場合、表示画面が小さく、
字数制限もありますから、短い文章になります。
その分、感情が非常にストレートに表現されています。
「妊娠しません。アドバイスお願いします」
これは私が受け取った最も短いメールです。
余分な言葉がなく、思いがひしひしと伝わってきます。
一方、パソコンからのメールは、長いものも多く、
最終的に最後まで読み進めると、
「読んでいただいてありがとうございました。」と
特に質問もなく終わったりします。
人間というのは、聞いてもらえるだけで癒されるのですね。
「聞いてもらうだけ」じゃダメ?
どんなに仲のいい夫婦でも、孤独感にかられるときはあります。
人間は、話を聞いてもらえさえすればいいというものではありません。
お互いがお互いの思いをぶつけあうのは、キャッチボールとは言えません。
また、いくらキャッチボールを続けたところで、
ふたりの想いが寄り添わなければ、やはりそれは孤独なのです。
■主人は私の話をとてもよく聞いてくれます。
しかし聞いてもらうだけではだめなんです。
一緒に同じように考えてほしい。
答えを聞かせてほしいと思ってしまうのです。
主人には仕事や生活こそ人生の土台と感じられるようで、
結婚してからは特に“一人前になること”に一生懸命です。
私にとっては“母になること”が夢なのですが、
主人は「それはいつか叶うこと、他に何か仕事や、
やりたいことがあればやってみれば」と言うのです。
主人に話を聞いてもらうだけでは癒されない。
主人の「大丈夫、40歳過ぎて妊娠した人も沢山いるよ」
という言葉も素直に受け取れません。
「まったく、人ごとみたいに」と感じるのです。
あなたたちは、ちゃんと話し合っていますか?
「話し合う」とは、お互いに気持ちを述べ合うことではありません。
むしろ、相手の話を聞き合うことなのだと思います。
このメールの方は、ご主人の気持ちを分かっているようです。
でも彼女はその気持ちに「ありがとう」を伝えたのでしょうか。
「私の気持ちはどうなるの?」と言いたいのは山々ですが、
まずは、あなたが相手の気持ちを受け止めてみましょう。
人は自分を誰かに受け止めてもらえると、
自分も誰かを受け止めることができるようになるのですから。