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コラム

体外受精(IVF)とは

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2020年7月31日

目次

  • 体外受精とは

  • まずは体外受精の現状を知る

  • 体外受精(IVF)を受けるかどうか迷っているあなたへ

体外受精とは

体外受精とは、英語でIn Vitro FertilizationですからIVFと略されますが、正しくはIVF-ETなのです。ETとはEmbryo Transferの略で、胚移植のことです。つまりIVF-ETとは、体外において受精した受精卵(胚)を体内に移植することです。

IVFは大きく4つの過程に分けて考えることができますので、これにETを加えたIVF-ETは、都合以下の5つの過程に分けて考えることができます。

(1) 排卵誘発

(2) 採卵

(3) 採精、および精子の調整

(4) 受精、および培養

(5) 胚移植

ここから説明する体外受精のプロセスは、最もスタンダードと言えるものですが、体外受精の具体的な技術や方法は、医療機関によって様々な状況になっているというのが現実です。

体外受精では、なるべく多くの卵子を得るという目的のために排卵誘発剤を用いた卵巣の刺激を行います。そして、卵胞の大きさから卵子が成熟したと思われる段階で、一斉に卵子の収穫すなわち採卵を行います。採卵と同時に男性から提供された精液は、洗浄、濃縮を行い、調整精液として準備されます。受精は、シャーレの中で一定濃度に調整された精子を卵子にふりかけることによって行います。卵子が無事受精し、受精卵となったかどうかは体外受精の翌日、このシャーレの中の卵子を顕微鏡で観察することによって、確かめることができます。

受精卵はさらに培養を進めます。順調に行けば分割という現象が始まります。4ないし8分割が確認されたグレードの高い分割卵=胚を女性の子宮の中に戻します。これがすなわち胚移植です。胚移植のあと、より妊娠を成立しやすくするために黄体ホルモン製剤の補充を行うというのが一般的です。順調に経過すれば、胚移植から2週間前後で妊娠の反応を確認することができます。

まずは体外受精の現状を知る

カップルの10組に1組が不妊症に悩んでいると言われています。こうした社会情勢を反映して、体外受精をはじめとする高度生殖補助医療(ART)によって誕生する子どもの数は年々増え続けています。

2002年末で我が国での体外受精児の数は、累計で10万人を突破しました。さらに2003年の1年間で17400人の体外受精児が誕生しています。これは、生まれてくる子供の実に65人に1人が体外受精児だということを物語っているのです。小学校のどのクラスにも1人の体外受精によって生まれた子どもがいるということも現実として視野に入ってきました。

しかしながらそのいっぽうで、高度生殖補助医療による妊娠率は、ここ10年余り20%前後の横ばい状態を続けています。体外受精児の数が増加しているのは、その医療を受ける人の数がとても増えてきたからなのです。

体外受精の妊娠率20%の意味するところは、この医療にエントリーしても5人に1人しか妊娠できないということなのです。さらに、妊娠に至っても流産する確率も高く、1回の体外受精で子どもを抱いて帰れる確率(生産率)は15.1%なのです。

1978年、イギリス、マンチェスター郊外の病院で1人の女の子が産声をあげました。両側の卵管の完全な通過障害を確認されていた女性の卵巣から卵子を採り出し、ご主人の精子とシャーレの中で受精させ、こうして得られた受精卵を再び女性の子宮の中に戻し、妊娠を待ったのです。そして誕生したルイーズ・ブラウンは、「試験管ベイビー」の名とともにセンセーショナルに報道され、世界中に大きな衝撃をあたえました。それから体外受精は、倫理的な議論を経ながらも急速に世界中に広まっていったのです。ルイーズ・ブラウンの誕生から遅れること5年、1983年には我が国でも体外受精児第一号が誕生しました。さらに1990年代に入ると、体外受精などの高度生殖医療を行える医療機関の増加が始まり、現在日本では600を越える医療機関が存在しています。今日、体外受精は、特殊な医療ではなくなったのです。

妊娠率20%のみならず、この医療には本当に数多くの問題点が存在しています。体外受精の良い点、悪い点などを、みなさんにわかりやすく、かつ丁寧に語りかけることで、この医療を冷静に受け止めてもらえる視点を得ていただきたいというのが私の願いです。

情報化社会と言われて久しい今の時代ですが、患者さんが体外受精に関する役立つ情報を得たいと思ったとき、書店の本棚にはそうした情報を得られる本がまったく見られず、ホームページなどによっても体外受精の実体や、その妊娠率など、さらには子どもを抱いて帰れる生産率などの正確な情報が得られにくいというのが、今の日本の現実でもあるのです。

体外受精(IVF)を受けるかどうか迷っているあなたへ

「あなたたちカップルは、なぜ体外受精をしてまでも子どもがほしいのでしょうか? あなたたちにとって子どもとはいったいなんなのでしょう?」

そんな、答えにくいような質問をしてみることがあります。

「私たちの周りにいるご夫婦のほとんどの方がお子さんがいらっしゃいます。しかし、私たちにはいないんです」「これまでずっと不妊治療を受けてきて子どもが授からないのです。ですから、私達にとって子供が授かる方法は体外受精しかないと思っています」というような答えが返ってくるかもしれません。

「どうして子どもが欲しいのか?」ということを、なぜもう一度振り返ってみる必要があるのか。

不妊治療を始めると、どうしても妊娠、出産ということが目的となってしまいがちです。しかし、あまりにそのことばかりに気持ちが傾いてしまうと、もっと大切な二人のこれからの長い人生計画をファミリー・プランニングとしてしかとらえられなくなってしまうかもしれません。

不妊治療も、あなたのライフ・プランニングのなかのひとつです。こう考えることが、膨大な医療費を求められ、そして、妊娠率も決して高くない高度生殖補助医療に取り組むときの、心構えになるかもしれません。

最後ににもうひとつ、少し視点を変えた質問をしてみましょう。「子どもは何のためにこの世に誕生してくるのでしょうか?」

この問いかけに対する答えを、どのように考えられるでしょう。そんなことを突然聞かれてもと、戸惑ってしまうかもしれません。私が思うに、子供は愛されるために、そして愛情が十分整った環境の中に生まれ落ちてくるべきだと思いますし、それ以外に答えはないと考えています。 不妊治療は確かに精神的にも辛く、治療が長期間におよぶことも希ではありません。こうした試練をポジティブに捉えて、これまでを振り返るきっかけとしてみてはどうでしょうか。

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≪院長プロフィール≫
こまえクリニック院長 放生 勲

昭和62年3月 弘前大学医学部卒業

都内の病院にて2年間の内科研修

フライブルク大学病院および
マックス=プランク免疫学研究所留学

東京大学大学院医学博士課程修了
(東京大学医学博士)

平成11年5月こまえクリニック開院


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