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コラム

人工授精という選択肢 ~考えるポイント~

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2020年7月31日

人工授精では注射での排卵誘発がいちんばんの問題

もしあなたが不妊治療の過程で、人工授精へステップアップしたいと考えるなら、そのときの私なりのポイントを述べたいと思います。

まず、人工授精を行うのであれば、hCG、hMGの注射を行うのかどうか医師とよく相談して決めるということです。hCGは排卵を促進する薬であり、hMGは卵胞の発育を促す薬です。多くの卵が作られることによって多胎が生じるという問題もあります。とくに人工授精で子どもが授からなければ体外受精も視野に入れているというケースでは注意が必要です。人工授精は方法が比較的簡単で治療費も体外受精の10分の1以下のため、妊娠がなければ何度もくり返し行うのが一般的です。人工授精の妊娠率は5%〜8%くらいですから、くり返し行われる確率のほうが高いわけです。したがって、薬を何度も使うことになるわけですが、そのことが女性の「妊娠力」を低下させ、いざ体外受精にエントリーするという段階になって、妊娠できないという状態をつくる可能性があるのです。人工授精でのhCGの使いすぎによる妊娠力の低下を主張するのは、体外受精を数多く行っている医師のなかにもいます。

人工授精でもタイミングはたいせつ

自然妊娠の場合、セックスと排卵日のタイミングが合うことが不可欠ですが、人工授精においても自分たちでもタイミングをとるという意思表示が大事です。hCGを使うのは、たくさんの卵を得るという目的だけでなく、排卵日が予想がしやすいことがあります。人工授精の日程を作りやすいのです。

しかし、排卵日の予測なら自分たちでもできます。このことは『妊娠レッスン』という本に詳しく書きましたが、基礎体温表をつけながら排卵日検査薬を使えば、2、3か月もあれば排卵日を予想することが可能です。つまり、自分たちで排卵のタイミングと人工授精のタイミングを合わせるわけです。

医療機関に対して、「自分たちもタイミングをとります、だからhCGは使わないでください。」というような意志表示をすることはなんら問題ありません。薬を使うにしても、フレアアップを期待してスプレキュアという点鼻薬だけとか、クロミッドという飲み薬の排卵誘発剤を使うといったやり方も可能だと思うのです。

ある不妊治療に携わる医療機関では、人工受精を2日連日で行うところがあります。つまり1回精子を入れるよりは、2回連日で入れたほうが、より確率は高くなるわけです。さらに、人口授精を行う前日と、人工受精が終わった翌日にセックスをもつようにと指導するのだそうです。4回連続というわけです。これでは男性のほうが大変かもしれませんが、要は自分たちも自然妊娠をあきらめないということが大切だと私は思います。そのようなスタンスでいれば、もし人工授精がうまくいかなくても、自分たちもやるだけのことはやったという気持ちになれますし、体外受精へステップアップするときも、前向きにとらえられるのではないかと思うのです。

人工授精をパスすることも選択肢

人工授精をどのように肯定的にとらえるかという話をしてきましたが、そのいっぽうで、人工授精を何回も受けていると、次のような心理状態にもなりやすいことも事実です。

「不妊治療として人工授精を始めてもうすぐ2年になります(30歳)。これまでの治療経過を自分で見ていて改めて思ったのですが、治療を進めるにつれ自分の「妊娠力」が弱まっているように感じられます。」

「人工授精を受けていますが、治療を受けることにとてもストレスを感じています。よく、治療をお休みしてリラックスしていたら妊娠した…という話も聞きますが、私のような人は、不妊治療をお休みする=赤ちゃんをあきらめるということのように思えて、お休みする勇気がありません。」

「ストレスからも開放されて自然に妊娠できることが理想ですが、私のような場合でも治療をお休みして妊娠から遠ざかることはないのでしょうか?」

そして、人工授精を複数回受けても妊娠に至らないと、体外受精などの高度生殖医療が視野に入ってきます。そして、多くのかたが下記のような悩みを抱えます。

精神的な負担に加えて、経済的な負担がさらに大きなストレスになっていると思います。私は将来的にはIVFも視野には入れていますが、経済的なことを考えると何度も受けられるものでもないので、経済的な負担だけでも少しでも軽減されれば…と思います。」

私は人工授精をせずに体外受精にしました。なぜなら不妊症の理由がだいたいわかっていたので。私の場合は卵巣が子宮に癒着していて排卵はしても子宮に卵子が取り込まれないので妊娠しない、というパターンでした。人工授精をしても子宮に卵子がやってこないのだから妊娠するはずはありませんよね。

人工授精は第二のステップと位置付けられていますが、私の場合ではやっても効果は期待できないですよね。なので、私は先生に「まずは人工授精を」と勧められましたが、体外受精を選びました。私は無駄な検査より無駄な治療の方が多かったように思います。最初に通った産婦人科での排卵誘発剤等。原因がわかれば不妊治療の方法は人それぞれなので、人工授精を第二のステップと位置づけするのはどうかな〜と思います。」

人工授精の費用についても、述べておきます。人工授精から、不妊治療は健康保険適応外の自由診療となりますので、医療機関によって治療費用はバラバラとなります。これまでの不妊治療相談の経験から、人工授精1回あたりの料金は1〜2万円、平均1.5万円くらいの金額がかかるようです。最近、都内でも2万円を超える高額の施設が出始めており、少し心配しています。費用が高いからといって、妊娠率が高いわけではありません。私は人工授精1回の費用上限は2万円だと考えています。

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≪院長プロフィール≫
こまえクリニック院長 放生 勲

昭和62年3月 弘前大学医学部卒業

都内の病院にて2年間の内科研修

フライブルク大学病院および
マックス=プランク免疫学研究所留学

東京大学大学院医学博士課程修了
(東京大学医学博士)

平成11年5月こまえクリニック開院


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