不妊症とは - 東京の不妊治療

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コラム

不妊症とは

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2020年7月20日

不妊治療コラム

「不妊」と「不妊症」の違い

「不妊症」とは、どのようなことをいうのでしょうか? また、「不妊」と「不妊症」とは、どう違うのでしょうか? こうしたことをここで解りやすく説明してみたいと思います。

日本産科婦人科学会では、「結婚して通常の夫婦生活を持って、2年間妊娠しなければ不妊症」という一応の定義のようなものを示しています。

しかし、女性の結婚年齢が年を追うごとに高齢化して、不妊治療開始年齢もそれに伴って上昇するにつれて、こうした定義は現在、医療の現場で有名不実のものとなっています。

私が思うに、「子どもができづらいな?」とカップルが思った時点が「不妊」であり、それに対して医学的なアプローチが必要とする状態を「不妊症」と考えるのが、現実に即していると思います。

そして、ほとんどの場合、「不妊症」には、男性にも、女性側にも、子どもができづらいという自覚以外に、身体上の明確な症状が見られないことが大きな特徴です。

不妊症の原因は男女半々

実際に医療機関のドアをノックすれば、子どもができづらい原因を解明すべく、検査が始まります。

そして、男性側に原因がある場合が4割弱、女性側にある場合が4割強、両方にある、もしくは原因が特定できない場合が2割と考えてください。

「子どもができなければ女性が悪い」などと言うのは、全く実状に即していないことであり、男性因子による不妊症がとても多いということは、知っておいてください。

検査を行い始めれば、女性の検査はキリがないといってもよいくらいですが、セックスが成立するカップルにおいて、男性側の検査は精液検査のみということになります。男性は、精液検査を行って異常がなければ。太鼓判となるわけです。

女性因子の不妊症

排卵因子

月経不順の女性の場合、月経のような出血があっても排卵を伴わないことがあります。排卵がなければ妊娠は起こりません。排卵が起こらない原因には、甲状腺など女性ホルモンを出す仕組みに影響を与える病気や、極度の肥満または体重減少、男性ホルモンが高くなるホルモンのバランス異常(多嚢胞性卵巣症候群)などがあり、これらの場合は原疾患を治療したり、排卵を起こす治療をしたりします。また、全く月経がない場合、様々なホルモン分泌の異常やまれに早発卵巣不全(早発閉経)の方もいらっしゃいます。

卵管因子

卵管は精子が卵子に向かい、受精した卵(胚)が再び子宮に戻るための道です。卵管が炎症などによって詰まっていると、妊娠は起こりません。卵管炎や骨盤腹膜炎の原因となるクラミジア感染症にかかったことがある方で、ほとんど無症状のうちに卵管が詰まっていることもあります。また、強い月経痛がある女性の場合、子宮内膜症が潜在していることがありますが、この子宮内膜症の病変によって卵管周囲の癒着が起こり、卵管が詰まっている場合もあります。

頸管因子

子宮頸管は子宮の出口を巾着のように閉めてバリアをしている筒のような部分です。排卵が近づくとその筒の内部を満たす粘液が精子の貫通しやすい状態に変化しますが、この粘液の分泌が少なかったり、精子の貫通に適していなかったりすると、精子は子宮内に侵入しにくくなり、妊娠が起きにくくなります。

免疫因子

人間には、細菌やウイルスなどの外敵と闘い自分を守るための「免疫」という仕組みがあります。異物の侵入を容易に許容しないための大切な仕組みですが、時に「抗体」といわれる免疫の力で精子を攻撃してしまうことがあります。精子を攻撃する抗体(抗精子抗体)を持つ女性の場合、子宮頸管や卵管の中で抗精子抗体が分泌されると、精子の運動性が失われ、卵子に到達できず、妊娠が起こりません。

子宮因子

子宮筋腫や子宮の先天的な形態異常などにより、子宮内膜の血流が悪かったり、子宮内に過去の手術や炎症による癒着などがあると、子宮内に到達した胚がくっ付いて育つことを妨げ、妊娠に至りません。

男性因子の不妊症

造精機能障害

精子の数が少ない、または無い、あるは精子の運動性などの性状が悪いと、妊娠しにくくなります。精索静脈瘤で精巣内の温度が高くなっていると、精子の数や運動性が低下します。また、特に原因はなくても精子が作られない場合もあります。

精路通過障害

作られた精子がペニスの先端まで通るための道が途中で詰まっていると、射精はできても精子は排出できず、妊娠に至りません。過去の炎症(精巣上体炎)などにより精管が詰まっている場合などがあります。

性機能障害

勃起障害(ED)、膣内射精障害など、セックスで射精できないものをいいます。一般的にはストレスや妊娠に向けての精神的なプレッシャーなどが原因と考えられていますが、糖尿病などの病気が原因のこともあります。

加齢

男女とも、加齢により妊娠する・させる力(妊孕性)が低下することが分かっています。女性は30歳を過ぎると自然に妊娠する確率は減り、35歳を過ぎると著明な低下を来たします。加齢により子宮内膜症などの合併が増えること、卵子の質の低下が起こることが妊孕性低下の原因と考えられています。
男性は、女性に比べるとゆっくりですが、35歳ごろから徐々に精子の質の低下が起こります。

不妊症に関連する病気は?

明確な症状の見られない、この「不妊症」という病気において、検査を進めていくと、どのようなことが見つかるでしょうか?

超音波検査を行えば、子宮筋腫が無いかどうかということが、簡単にわかります。子宮筋腫はできる場所と大きさにもよりますが、子宮の内側にできる粘膜下筋腫の場合は、不妊の原因になります。また、子宮筋腫は、貧血がきっかけに見つかることも多くあります。

そして、最近増えている感染症として、クラミジア感染症を挙げることができます。この病原体に感染しても、ほとんどの場合、何の症状もありません。しかし、女性の生殖器に居座ったクラミジアは、本人が知らないうちに炎症反応により、卵管閉塞という大きな問題を起こします。ですから、クラミジア感染症既往のある人は、子宮卵管造影検査を行うことがとても大切です。

また、子宮内膜症は、不妊の検査の過程で、よく見つかる病気です。子宮内膜症とは、子宮内膜が異所性に増殖する病気です。子宮内膜症の場合、性交痛、月経困難症などという自覚症状がきっかけで、発見されることもよくあります。不妊に悩んでいる女性の1/3に内膜症が見つかり、子宮内膜症の患者の、2人に1人が不妊に悩んでいるという統計もあるくらいに、内膜症と不妊症は切っても切れない関係にあります。
内膜症を直す一番の近道は妊娠です。タイミング法排卵誘発剤などの相談もいたします。

しかし、女性の結婚年齢が高齢化するにつれて、不妊の最大の原因となっているのが、卵子のエイジングという問題です。人が毎年1つずつ歳をとっていけば、卵子も年を追うごとに老化が進み、年齢の高い女性は、排卵されても、卵子がうまく精子を取り込むことができなかったり、受精卵が子宮の中で育っていくことが、段々難しくなってくるのです。

こまえクリニック「不妊ルーム」はこんなところです

不妊症に悩む女性は、通常産婦人科で治療を受けることが多いのですが、私は内科医としての立場から、クリニックに「不妊ルーム」というものを開設しています。「不妊ルーム」では、最初にカウンセリングを行い、希望される方には、漢方薬などを用いたフォローアップによって、2012年10月までに1500名近い女性が妊娠に至っています。

また、不妊治療が必要となった場合、どこの医療機関で治療するかということがとても大切ですが、「不妊ルーム」では、セカンドオピニオンの提供とともに、信頼できる医療機関の紹介を積極的に行っています。

著者:こまえクリニック院長 放生 勲

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≪院長プロフィール≫
こまえクリニック院長 放生 勲

昭和62年3月 弘前大学医学部卒業

都内の病院にて2年間の内科研修

フライブルク大学病院および
マックス=プランク免疫学研究所留学

東京大学大学院医学博士課程修了
(東京大学医学博士)

平成11年5月こまえクリニック開院


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