男性不妊 フーナーテスト
男性不妊の治療の多くは、人工授精・顕微授精など女性に対する治療になります。精子を増やすという治療をする事が出来ればよいのですが、女性に対する技術が先行して進化していった為に、実際にはこのような形になっているというのが現状です。
精子の状態を見る検査として、精液検査・血中のホルモンを調べる血液検査のほかに、「フーナーテスト」というものがあります。
推定排卵日若しくはその直前にセックスを行い、その3~5時間後に女性がクリニックを受診し、子宮頸管や膣内にいる精子の存在と運動性を調べるという検査になります。
本検査は「精液検査の結果が良くても、女性に抗精子抗体があるのは良くない」という事で長く行われてきた検査です。
しかし今日では、女性の血液検査によって抗精子抗体の有無を調べる事が可能です。これに対してフーナーテストは、検査の為のセックスという精神的な負担がある上に正確ではありません。
その日の女性の頸管粘膜の状態に強く左右される為、信頼性としても劣ると思われます。とはいえ、日本の保健制度は新しい技術に対して厳しくも、古い検査には寛容です。ですので、古くから行われてきたフーナーテストは保険適用です。
患者さんの経済的負担が血液検査による抗体検査より小さくなります。
そういった背景もあり、フーナーテストは現在も広く行われています。