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コラム

【書籍試し読み】35歳からの妊娠スタイル(6)

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2019年12月5日

35歳からの妊娠スタイル

目次

    不妊ルームの院長が執筆いたしました書籍「35歳からの妊娠スタイル」の内容の一部をご紹介いたします。

     

    ●「精子力」も、妊娠にとって大切な要素

    「精子力」と「卵子力」の関係を考えるには、体外受精という医療をひきあいに出して考えるとわかりやすいと思います。体外受精は、女性から採卵した卵子をシャーレに入れて精子をふりかけ、受精して分割をはじめた受精卵(胚)を子宮内に戻すもので、正確には体外受精-胚移植(IVF-ET)といいます。

    では、体外受精を行って妊娠しなかった場合、その医療機関の医師からどのような説明を受けるでしょうか? 受精がうまく成立しない場合は、「精子に、卵子の中まで突き進んでいく力がありませんでした」となるでしょうし、受精卵を移植して妊娠しなかったり、分割そのものが停止してしまうと、今度は「卵に力がありませんでした」となるでしょう。こうした説明を受けた人は、数多いと思います。要するに、妊娠に至らないのは、精子力、あるいは卵子力が足りないからというわけです。

    しかし、〝体外授精は医療機関選びがすべて〟と言っても過言ではありません。それは、体外授精は医療機関によって、医療費のみならず、技術水準に著しいばらつきがあるからです。ですから、妊娠に至らない場合の原因は、医療機関側の培養士のラボ力、あるいは医療としての総合力に問題がある場合も多いのです。

    私は最近、泌尿器科医で、男性不妊を専門とする先生からお話を伺う機会があり、「精子力」について、深く考えさせられました。妊娠は、一個の精子が、卵子の中に飛び込んで受精卵となることからスタートします。そして、受精が成立したその後、妊娠するかしないかは、卵子側の問題だと考えられてきました。たとえば、女性の年齢が高いと、卵子のエイジングによって分割が進まない、あるいは妊娠したあと流産してしまうのも、女性側に原因があると考えられてきたのです。

    しかし、よく考えてみてください。1個の精子の中には23本の染色体、そして1個の卵子の中にも23本の染色体があります。精子と卵子が受精することによって、46本、すなわち23対の染色体となり、そのほかの細胞と同じ染色体数になるわけです。

    船にたとえるならば、受精卵という船には、23人の男性の船員と、23人の女性の船員が乗船しているとイメージできるでしょう。その船がうまく航行していないとしたら、それはすべて23人の女性船員の責任でしょうか? 男性船員も23人いるわけです。

    こうした例え話をしたのは、男性因子の改善、すなわち、より元気のある精子を増加させるという泌尿器科的なアプローチがたいせつだと強調したいからです。男性因子の改善によって、結果的に流産などが減り、妊娠率も上げることができると、その医師は言うわけです。

    これまで、卵子側の事情と考えられてきた流産ですが、実は、男性にも原因があるということも段々わかってきているのです。ですから、これからは、今まで以上に男性の出番というのが増えてくると思いますし、私自身そうなって欲しいと切に願います。

    (~中略~)

    妊娠しにくいと考えられるカップルでも自然妊娠はあり得るのです。

    Lesson 6
    不妊原因は卵子力だけではない

     

     

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    ≪院長プロフィール≫
    こまえクリニック院長 放生 勲

    昭和62年3月 弘前大学医学部卒業

    都内の病院にて2年間の内科研修

    フライブルク大学病院および
    マックス=プランク免疫学研究所留学

    東京大学大学院医学博士課程修了
    (東京大学医学博士)

    平成11年5月こまえクリニック開院


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